メニュートレンド:特上牛肉に綿あめふわり 女性客の集客に貢献
肉ブーム真っ盛り。とはいえ、提供方法を見てみると焼肉かステーキに偏っているのが現状である。そんな肉マーケットの隙間を狙い、牛1頭分を部位ごとに最適な調理法で提供するのが東京・上野の「和牛料理&もつ鍋 タンしゃぶ 飴家」だ。同店のヒットメニュー「和牛ランプのすき焼き×わたあめ」は、すき焼きの上に大きな綿あめをのせるという大胆な演出方法で、とりわけ女性客に高い人気を誇る。
●和牛1頭分を最適料理で提供
大ぶりにスライスした肉はA4~A5ランクの黒毛和牛のランプ肉で、1人前90gというボリューム。普通に食べ始めたところに、20cmサイズの鍋を覆うばかりの大きな綿あめがのせられる。綿あめはすぐに溶けてしまうが、これが割り下の程よい甘味となって、さらにおいしさが増すという仕掛けだ。
「開発したのは2年半ほど前。最初はメレンゲをのせて提供してみたのですが、溶けた後の味が今ひとつ。そこで綿あめを試してみたところ、見た目のインパクトも味も両方実現できました」と経営のケイ企画の菅谷潤代表は語る。
綿あめが溶けた後はさぞ甘かろうと想像するが、意外にもあっさりした甘さにとどまって食べ飽きない。同商品はテレビの情報番組でも紹介され、女性客の集客アップにつながった。最近では、某焼肉チェーンでも綿あめを使ったすき焼き風メニューを採用しており、すき焼き新トレンドとして注目度はますます高まりそうだ。
締めは1玉380円の「つけ麺風ちゃんぽん麺」を用意。残った鍋の汁を厨房でだしを合わせて調味し直し、つけ麺風に付けて食べる。
1人前1980円から注文可能なのも見逃せない。「焼肉とすき焼き、しゃぶしゃぶなどを同時に楽しんでいただくのが当店のコンセプト。いろんな和牛料理を少量ずつ食べられるよう鍋も1人前から提供しています」と菅谷代表。
その他の和牛料理は、高温に熱した溶岩プレートの上で焼いて食べる溶岩焼きを中心に、リブロースはカルパッチョ、タンはしゃぶしゃぶ、中ばらはカルビとニンニクの辛味噌焼きである火牛など。塩ホルモン焼きや塩もつ鍋など和牛のホルモン料理まで網羅。文字通り、和牛1頭分を最適な調理方法で堪能できる。
牛肉は1頭買いせずに、部位ごとに最適なものを仕入れる。主客層は30~40代の男性客だが、同商品などで話題性が高まり、女性のグループ客など新しい客層開拓につながっている。「今後もインパクトのあるメニューを開発して、集客アップにつなげていきたい」と菅谷代表は意気込みを語る。
●店舗情報
「和牛料理&もつ鍋 タンしゃぶ 飴家」 経営=ケイ企画/店舗所在地=東京都台東区上野4-9-2 小出ビルB1F/開業=1998年8月/営業時間=午後5時~翌午前0時、日のみ午後4時~11時 無休/坪数・席数=30坪・53席/平均客単価=4500円
●愛用資材・食材
「わたがし名人プロ」 ケーズウェーブ(千葉県千葉市)
「和牛ランプのすき焼き×わたあめ」の綿あめを作るために導入したのが同機。中国・広州の「ETON」社製で、安価ながら丈夫でパワフル。店内の客席から目立つ場所に置いて注文ごとに綿あめを作るため、注目度も高く「綿あめだけ欲しい」とオーダーする客もいるほどだ。
規格=幅52cm×高さ41cm 110V 50/60Hz