パスタ特集:スパゲッティながい「タラコとウニのスパゲティ」
◆有名店修業の確かな味 昆布茶でうま味引き立つ
東京・四谷の老舗スパゲティ専門店「スパゲッティながい」は、長く地元サラリーマンに愛される名店。店主の永井浩一氏はスパゲティ専門店の老舗「ハシヤ」で修業を積んだ実力派だ。その永井氏が自信を持ってすすめる看板メニューが「タラコとウニのスパゲティ」。
麺は普通寸胴鍋などでゆでるのが一般的だが、うどんやそばなどに使う大きな“麺釜”で一気にゆで上げ、ザルに移す。大きな釜で麺を躍らせることで、ゆでる時の湯の量も多くなり、ふやけずにしっかりとゆで上がる。また、釜が大きくゆでる時に塩を入れても効果を得るのが難しいため、ゆでる時ではなくソース自体に塩を加えて味を調える。
パスタソースは、ウニ、タラコを生のまま常温のバターと混ぜ合わせ、昆布茶の粉末と塩を加え、だし醤油で味を調えれば完成。ソースは加熱せず、麺と混ぜ合わせた時に麺の持つ熱が加わることで、調理完成。溶け出したバターと、ほのかに熱が加わったタラコとウニの持つフレッシュさがうま味を引き立てる。
また、昆布茶を使用することで和風の味わいを強化するとともに独特のうま味が加わり、「塩味だけだと味が尖ってしまいますが、昆布茶を加えると味が軟らかくなります」と永井店長は味付けの秘訣を語る。ウニは練りウニを使用、タラコは北海道産にこだわり、他にも海鮮系パスタが充実している同店では、魚介を店主自ら築地まで仕入れに行っている。
7対3で男性客が多く、そのほとんどが常連客だ。口コミで訪れた客がほとんどで、週に1~2回は必ず通うという常連サラリーマンが多い。男性は大盛り(乾麺170g)を注文する客が多く、女性でも大盛りの注文は珍しくないという。「塩味が多めのソースなので、外回りなどで体力を使う会社員男性に特に喜ばれています」と永井店長はリピーター固定の理由を語る。
●店舗情報
「スパゲッティながい」 所在地=東京都新宿区四谷1-8中川ビル2階/開業=1993年/営業時間=月~金 午前11時30分~午後9時30分 土・祝 午前11時30分~午後9時 日曜日定休/坪数・席数=9.8坪・17席/1日平均客数=約50人/平均客単価=1250円