業務用加工食品ヒット賞 デザート部門:リボン食品「パイシェルシリーズ(焼成パイ&クッキー)」
◆パイシェルの職人技術を再現
リボン食品の「パイシェルシリーズ(焼成パイ&クッキー)」は一つ一つを丁寧に焼き上げた本格的なパイ生地やクッキー生地のシェルカップ。フルーツやクリーム、フィリングなどの具材を選ばない、サクッとした食感と油脂の風味豊かな味わいがさまざまなタルトケーキの下地として利用され、近年では惣菜系のキッシュなどにも多用されている。パイシェルを焼く高度な職人技術をカバーしながら、形や焼き色の微妙な違いで手作り感も訴求するベース商品として製菓・製パン業界や外食産業で重宝されている。
同品は1987年に第1弾商品を発売し、当初は洋菓子店やホテルなど主に製菓業界でタルト生地を焼く職人技術の代替商品として利用されたが、現在は製パン業界や付加価値メニューを提案する外食業態でも愛用される。シリーズで現在、パイ生地10種類、クッキー生地11種類、サイズも最小で直径4.5cmから最大同21cmまでで、伝統的な菊型や手作り感のある丸型を幅広く展開。長年、切り分け用のホールケーキサイズや一口サイズのフィンガーフードタイプが人気だったが、近年はちょうど1人前の食べきりサイズが人気。行列が絶えない「チーズタルト」「アップルパイ」「ミートパイ」などの1人前サイズのパイ業態の登場も追い風となり、発売から約30年が経過した今、改めて同品へのニーズが高まっている。また、クリスマスやバレンタインなどのイベントが多い、秋冬シーズンの最需要期が、現在は年間通じての利用があるため、工場はフル稼働となっている。
同社の焼成パイシェルは一つ一つを丁寧に焼き上げているため、手間がかかり、大量生産型でないことも大きな特徴。日本初のマーガリン製造企業で老舗油脂メーカーとして原料も製造し、生地を作り、型に敷き、焼き上げるまでの全工程を自社工場で行えることを強みに、形や大きさ、仕様を変えてラインアップを広げている。特に人手不足の昨今は手の込んだパイ生地メニューが手作り感とともに提供できるとスイーツや外食・惣菜市場で再評価され、パイシェルシリーズのニーズは年々高まり、直近5年の売上げは2.5倍に伸長している。今春にはパイシェルの生産ラインを増設して前年以上の生産体制を敷いたが、さらに増産に向けた投資計画も進行中。主原料のマーガリンからの一貫生産を強みに、将来的には同社の主軸カテゴリーとなるよう育成する方針だ。
規格=各種
●「フルーツパイ」
季節のフルーツで華やかに
(1)8分立てにした生クリーム、カスタードクリームを1対1の割合で混ぜる
(2)フルーツをトッピング用にスライスし、中に入れる分は細かく刻む
(3)「パイタルト大(PT-1)」にスポンジと刻んだフルーツを入れ、上から(1)を流し入れて、フルーツを飾る
●「クリスマスココアタルト」
たっぷりクリームを包み込む
(1)「クッキ-トルテ5号(CO-3)ブラックココア」の底にスポンジケーキを敷き、その表面をシロップでたたく
(2)カスタードクリームを入れて半分に切ったイチゴを並べる
(3)ホイップクリームを塗った上にさらにホイップクリームを絞り、トッピングを飾る
●「にんにくスープタルト」
器が食べられるスープメニュー
(1)オリーブオイルで、ニンニク、ソーセージ、バゲット、野菜類を炒める
(2)ブイヨンを入れて煮立て、パプリカパウダーと塩コショウで味付ける
(3)「パイトルテ3号(BO-5)」に熱々の(2)を7分目まで注ぎ、卵を割り入れ、電子レンジで加熱してパセリを散らす
●「くずして食べるトマトのパイブルスケッタ」
パイと一緒に切り分けて
(1)トマトをくし型に切り、バジルとニンニクはみじん切りにする
(2)オリーブオイル、レモン汁、塩、粗びき黒コショウを(1)の材料に加えて混ぜ合わせる
(3)パイトルテ6号(PO-2)に(2)を盛る