同業がうなる!居酒屋創作料理:四十八漁場 秋葉原昭和通り口店

2016.10.03 452号 11面

 ◇産地の埋もれた食材を生産者と開発 足で稼いでアイデアを練る!

 「食のあるべき姿を追求する」をモットーに、社員自らが産地へ足を運び、土地土地の埋もれた食材を救い上げ、それに合った料理を生産者と寄り添いながら開発しているエー・ピーカンパニー。同社が首都圏を中心に店舗展開しているのが、天然魚専門の居酒屋「四十八漁場」だ。各地方の漁師と直結した「漁師直送」で鮮度や魚種の豊富さが自慢なのはもちろんのこと、その地域に伝わる調理方法をヒントに、素材を生かす工夫と食材への思い入れから作られたユニークな料理の数々は、足で稼いだアイデアの宝庫である。既成概念に囚われないのびのびとした発想と、更なるブラッシュアップを目指すハングリー精神は、商品開発のかがみといえそうだ。

 ●「漁師の貝風呂」980円(税別)

 だしの湯にうっとりのぼせる貝の鍋

 この鍋は、まるで貝の物語を読むような楽しみであふれている。風呂桶となるのは直径15cmほどのアルミ鍋。昆布とあごでとった透き通っただしの湯に、旬の新鮮な4種類の貝がせめぎ合いながら浸かっている。お風呂はグツグツ火にかけられ、貝が湯にのぼせてパカっと口を開ければ食べ頃。優しく包み込むような甘味の玉ネギとコクのあるバターが、貝のうま味をより一層引き立てている。ホタテ、アサリ、白貝、ムール貝、ホンビノスなど、季節によって貝のバリエーションが楽しめるのも漁師直結店ならでは。最後にスープと相性の良いラーメンを入れて締めれば、見て香って食べてと、貝の世界を余すことなく堪能できる。鍋なのに夏に向けて人気が上昇するのは、深味だけでなく爽やかさもあるスープと、どこか海の雰囲気を漂わす風情があるからかもしれない。

 ●「広田つぶガーリックバター焼き」650円(税別)

 田舎の邪魔ものが都会で人気ものに

 「広田つぶ」は奇跡の一本松で有名になった陸前高田市の広田湾で採れる毛つぶ(ツブ貝の一種)にブランド名をつけたもの。実はこの貝、唾液腺に毒を持ち泥を噛んでいるので地元の人は棄てていた。だが身がサザエのように美味でワタも食べられることを知り、地道に1個ずつ掃除(加工)して商品化した。刺し身で食べてもうまいが、この料理は「広田つぶ」をニンニクとバターで炒めエスカルゴ風に提供している。別注のバゲットとの相性は抜群だ。もともと邪魔ものだったので原価が安く売価も安い分、コスパが高く人気も高い。

 ●「ひるがのへしこピザ」780円(税別)

 おふくろの味がイタリアンに大変身

 最近美容や健康効果でも注目されている「へしこ」は、福井県の“おふくろの味”。生産者から厚い信頼を得ている同店は「へしこ」の故郷、福井県美浜町日向港で丹精込めて作られたものを、和風アンチョビピザとしてオシャレに提供している。一口目はニンニクとトマト、二口目は大葉とへしこの香りが口に広がるよう設計されていて、日本酒との相性は抜群だ。さらにクリスピータイプの生地と小ぶりなサイズがスナック感覚で手に取りやすいと好評で、ファーストオーダーの中でも上位人気をキープしている。

 ●「よんぱち海鮮丼(ガリ、薬味、だし付)」1,000円(税別)

 女心をわしづかみするキラキラ系海鮮丼

 同店自慢の海鮮が宝石のように散らされた名物のランチ海鮮丼は、ボリューミーにもかかわらず女性に大人気。漁師直送の朝取れ魚を、醤油で、海苔巻きで、だし茶漬けでと、一杯で何度も楽しめるお得感に加え、魚の身をロスなく使い切れるよう細かく同じ大きさに刻んだことが、食べやすさ+新鮮な魚のキラキラした輝きの演出になり、女心をわしづかみしている。夜はミニサイズの「漁師のひとくちまかない飯/480円(税別)」として提供、締めの海鮮茶漬けとしても好評を博している。

 ●「本まぐろニラもやし炒め」580円(税別)

 ワンランク上のレバニラ炒め

 イメージは、豚や鶏のレバーを青森県深浦産の本マグロにした、ワンランク上の「レバニラ炒め」。本マグロといえば高そうに聞こえるが、生では食べられない“血合い”を使っているので原価は限りなく低い。並の寿司店なら捨てる部分を丁寧な下処理を施すことで、高級レバーに変身させている。味の要に、青森県民の味「スタミナ源たれ」で魔法をかけて完成する。「青森×青森」のソウルフルなメニューはビールとの相性が抜群で、がっつり食べたい男性を中心に大人気のスタミナメニューである。

 ◆店舗情報

 「四十八漁場 秋葉原昭和通り口店」

 経営=エー・ピーカンパニー/所在地=東京都千代田区神田花岡町1-9 アトレ秋葉原2・3階/開業=2014年12月1日/営業時間=昼・午前11時~午後3時、夜・午後5時~11時30分、無休(曜日により時間は若干異なる/席数=130席/客単価=夜・4,000~5,000円

 ◆四十八漁場の愛用食材

 「スタミナ源たれ」

 青森県のソウルソース

 青森県産のリンゴ、玉ネギ、ニンニクを使用した、青森県を象徴するスタミナ源たれ。炒め物はもちろん、焼肉、唐揚げ、鍋などに合う万能調味料。同社は、青森県深浦産マグロの血合いとコラボしたメニュー「本まぐろニラもやし炒め」で、青森の魅力を全面アピール。

 規格=410g(常温)

 会社=上北農産加工農業協同組合(KNK)(青森県十和田市)

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