海外通信 外食ビジネスの新発想(8)アメリカに登場した寿司ドーナッツ、各地に広まる
●さまざまなネタを同時に楽しむ 色とりどりのネタで華やかに演出
ハンバーガー、ドーナッツ、ベーグル、アメリカ人にとって円盤形の食べ物はなじみ深い。そこで登場したのが寿司ドーナッツ。ニューヨークのマンハッタンにある「スシ・ドーナット・ショップ」も名前の通り、寿司ドーナッツ専門店だ。同店の寿司ドーナッツは、直径がほぼ10cmあり、かなりのボリューム。テークアウト用には、持ち運びに便利なプラスチック容器に入れてくれる。
それにしても、なぜアメリカ人はこの円盤という形をかくも愛するのだろう。円は、四角と違って辺で交わることもなく、一人分で完結するからなのか。豊満な形は、見た目もなごませてくれるからなのか。
何にせよ、寿司ドーナッツは、視覚的に麗しく、作り方も至極簡単だ。まずはドーナッツ型に寿司米を入れてかたどったあと、客の好みに応じて、中に詰めるフィリングを挟んで双方をくっつける。そうしてできたドーナッツ形の上に薄く切った魚やアボカドなどをのせていく。店によっては、仕上げに、客の好みのドレッシング・ソースをかけるところもある。同店では、真四角に切った海苔の上にのせて、客に出している。
さて、注文の仕方だが、同店でも、よくある三段階の選択方式を採用し、客好みのマイ寿司ドーナッツを作るシステムを採っている。まずは、白米か玄米かを選択。次に、タンパク質(マグロ、サケ、ブリ、スパイシー・マグロ、スパイシー・サケ、スパイシー・ブリ、マサゴ)の中から2種類選ぶ。そして、野菜(アボカド、キュウリ、大根、サツマイモ、ごま、海藻サラダ、マンゴ)の中から3種類選ぶ。一律7$95¢。
ドーナッツ型の中に詰めるネタは、オプショナル。スパイシー・マグロ、スパイシー・カニ、スパイシー・サケ、スパイシー・ブリ、海藻サラダの中から選んで4$増で入れることができる。
また、同店お薦めのおまかせ寿司ドーナッツも4種類あり、こちらも人気だ。日本にはなかった寿司ドーナッツ。アメリカン寿司は、独自に発展しつつある。
◆寿司ドーナッツの作り方
(1)まずは、寿司米をドーナッツ型に入れてかたどる
(2)中にネタを挟む場合は、ネタを挟んでから重ね合わせる
(3)薄く切ったネタを上に重ね合わせていく
(4)できた寿司ドーナッツは、海苔の上にのせ、テークアウトの場合、持ち運びに便利なようプラスチック容器に入れる
◆店舗情報
「スシ・ドーナット・ショップ」(Sushi Donut Shop)
所在地=43 East 34th Street New York NY