メニュートレンド:シラス丼を透明カップで提供 鎌倉散策の食べ歩きニーズを掘り起こし

2019.04.01 482号 02面
(中)=「いくらミルフィーユ」950円(税込み)、(右)=「しらすミルフィーユ」950円(税込み)、(左)=「湘南しらすの玉子焼き串」1本300円(税込み)

(中)=「いくらミルフィーユ」950円(税込み)、(右)=「しらすミルフィーユ」950円(税込み)、(左)=「湘南しらすの玉子焼き串」1本300円(税込み)

 日本屈指の観光地・鎌倉には「鳩サブレー」を筆頭に名物がいくつもある。目と鼻の先にある湘南の海で捕れる新鮮なシラスを使ったシラス丼も鎌倉名物の一つとされているが、見た目通りの地味さでいまひとつ存在感を発揮できずにいた。それを鎌倉散策しながら食べ歩きできるアイテムに仕立て上げてブレークを果たしたのが、「はんなりいなり」の「しらすミルフィーユ」だ。

 ●ワンハンドで持ちやすい

 「鎌倉は観光客が散策しながら食べ歩きするニーズが高いのですが、食べ歩きできるものというと、クレープなどのスイーツ系ばかり。鎌倉食材を使い、写真を撮りたくなる見栄えのフードを提案すればウケるのでは、と考えて開発したわけですが、予想以上の反響でしたね」と、経営のマルハン食楽サービス・露木繁樹社長は、顔をほころばせる。

 「しらすミルフィーユ」はワンハンドで持ちやすいドリンク用の透明プラスチックカップを使用。下から煮椎茸、シャリ、シラス、シャリ、寿司っ子、シャリ、錦糸玉子、シャリ、キュウリ千切りと層状に盛り、最後に新鮮な生シラスを気前よく山盛りして完成。ただし1~3月はシラス禁漁期間のため、写真のように釜揚げシラスを盛り付ける。「味と見た目のバランスを調整するのが難しかったですね」と露木社長は語る。カップの外側から具材がしっかり見えるように盛り付けていくのがポイントとなる。注文を受けてから盛り付けるが、加熱工程などがないことから1~2分で提供できる。

 手にしてみると見た目よりもずっしりとした重量感。上から食べていくと、シラスとキュウリのさっぱりしたおいしさの次にふんわり食感の卵焼き、プチプチ歯ごたえの寿司っ子(シシャモの卵)、再びメイン食材のシラスが現れるというあんばいだ。シャリはすった黒ごまをまぶした酢飯で、香ばしい味わいがクセになる。

 同品の提供開始は2011年6月から。テレビのバラエティー番組などに取り上げられる機会も多く、今も平日60食、週末120食をコンスタントに売る。鎌倉市内に三つの販売所を展開するが、他にもシラスをたっぷり使った卵焼きを串に刺した「湘南しらすの玉子焼き串」など“食べ歩き”を狙った商品を充実させている点も見逃せない。「鎌倉の新しい名物として観光客を中心に認知されるようになってきました。将来的に横浜や東京などでも販売していきたいですね」と露木社長は意欲を語る。

 ●店舗情報

 「はんなりいなり」 経営=マルハン食楽サービス/店舗所在地=神奈川県鎌倉市小町2-9-7 カトレヤビル(1階が販売所、2階が食事処)/開業=2011年6月/坪数・席数=13坪・27席/営業時間=販売所10時~18時、食事処11時~18時。無休/平均客単価=販売所500円、食事処1200円

 ●愛用資材・食材

 「桃太郎みつ」 製造元=平野商店(東京都江東区)

 上品な甘味をいなり寿司の隠し味に

 看板商品の「はんなりいなり」は、黒ごまをまぶした酢飯を油揚げで巻いて仕上げたユニークな商品。その隠し味に使用している黒蜜が同品だ。大正13年創業の老舗で、材料は砂糖と水あめのみと昔ながらの製法を今も守り続けている。「上品な甘味が黒ごまの風味を引き立ててくれるんです」と、露木社長は愛用の理由を語る。

 規格=358g、24kg