花丸食材selection:メイプルフーズ「マレーコッド」 オーストラリア産高級魚が本格上陸!
●三つ星シェフも大注目
メイプルフーズがこのほど、マレーコッド・オーストラリア社の養殖「生鮮マレーコッド」のテスト輸入を開始した。マレーコッドは、オーストラリア南部のマレー川流域にしか生息していないスズキ目の白身魚で、現在は絶滅危惧種とされている。日本ではなじみが薄いが、オーストラリアでは高級魚として知られているほか、イギリスの三つ星レストランなどでも使用され、高く評価されているのだ。
その味わいは、新鮮なタイの刺身を思わせる弾力のある歯応えと香り、ヒラメに近い上品なコク、噛みしめるとにじみ出る甘味が特徴的。自然に近いサステナブル方式による養殖魚のためか、コクがありながら生臭みは感じられず、刺身やカルパッチョにも最適だ。日本でイチ早く導入した東京・丸の内のモダンオーストラリア料理店「Wattle Tokyo(ワトル・トーキョー)」の鈴木勇一シェフは、マレーコッドにほれ込み、「白身魚としてはびっくりするぐらい脂がのっている魚です。生で食べてもうま味がある」と、感心している。
また、マレーコッドは加熱すると、身がふわっとほぐれるような食感になる。軟らかいコクとうま味が広がり、生とは違う美味が楽しめる。
「加熱しても身崩れせず、ふっくらと仕上がるので、アクアパッツァなどにも使いやすい。とてもよいだしがとれますし、さまざまな部位においしさが隠れている。料理人にとって、創作意欲を刺激される魅力的な魚ですよ」と、鈴木シェフは言う。
マレーコッドは現在、生鮮で日本に空輸され、レストランなどへの販売価格はキロ3500円前後。その稀少性とおいしさからアッパーなメニューにこそうってつけで、今後、一流レストランを中心に広がりそうだ。