食物販から学ぶメニュー開発のヒント:カルディコーヒーファーム「パンダ杏仁豆腐」
●いつの間にか家庭でもこんな杏仁豆腐が人気に
「カルディコーヒーファーム」(以下「カルディ」)は、全国に展開するコーヒーと食品の小売店チェーンだ。同店のデザート商品で人気ナンバーワンとして有名なのが、この「パンダ杏仁豆腐」。何ともユニークだが、すでに10年以上のロングセラー商品のようだ。
パンダの紙パックに入った杏仁豆腐は、常温では液体状に溶けていて、パックのまま冷蔵庫で冷やすと、もっちりと軟らかな食感の杏仁豆腐が出来上がる。常温のまま開封して少し温めてから好みの型に入れれば、好きな形の杏仁豆腐を作ることもできる。開封しなければ常温保存できるという便利な商品だが、人気の秘密はやはりその味だろう。かつて、多くの飲食店で出てくる杏仁豆腐は風味付けした牛乳寒天だった。それが、とろみのある軟らかなモノに変わったとき、ちょっとした杏仁豆腐ブームがあったような記憶がある。そんな杏仁豆腐が今は家庭で気軽に食べられるようになったのだ。食品製造の技術革新は、常に飲食店を脅かしている。
同店を運営するキャメル珈琲は、喫茶店用のコーヒー豆の卸売を行う会社として1977年に設立された。下高井戸に「カルディ」店舗の1号店を出店したのは86年、ブランドの知名度を上げた下北沢店の出店は92年である。18年には台湾に海外1号店を出店。現在は福井県と鳥取県を除く全国に440店舗以上を出店しているようだ。
「カルディ」の店舗はさほど大きくないが、その店内は迷路のように入り組んでいる。細かく区分された棚に膨大な種類の商品を並べてあるのを見ると、いつも、補充作業が大変だろうなと思う。
(入江直之)
編集協力:株式会社イートワークス(http://www.eatworks.com/)
●店舗情報
「カルディコーヒーファーム」各店
所在地:全国(福井県と鳥取県を除く)