数字で読み解くフードサービストレンド:肉ブーム去ってチキンブーム?

2019.11.04 489号 06面

 ●伸びる鶏肉料理の喫食数

 肉ブームが始まって数年が過ぎました。世界ではベジタリアンブームとなっている中、まだ日本は肉ブームなのでしょうか? エヌピーディー・ジャパンが提供する外食・中食市場情報サービス『CREST 外食では牛肉料理(牛丼、ハンバーガー、ステーキ、ハンバーグなど)が、豚肉料理、鶏肉料理と比べ多く食べられています。牛肉は2017年7月~18年6月期に6.5%増と大幅に増加したのですが、直近1年(18年8月~19年9月)では、0.3%増と微増でした。牛肉を中心とした肉ブームは終焉(しゅうえん)の兆しでしょうか。

 豚肉料理(カツ丼、豚カツ、ハムサンド、ソーセージなど)の喫食数は横ばいで、過去5年で見ると減少傾向です。

 鶏肉料理(親子丼、鶏唐揚げ、フライドチキン、チキンバーガーなど)は、5年連続で増加しており、直近1年の増加率は3.1%増でした。鶏肉料理は、外食・中食全体で女性の比率が牛肉料理と比べて高いですが、14歳以下の子どもやシニア男性の喫食数増加がけん引して喫食数が増加しています。

 世界的にも鶏肉の需要は高まっています。低コストで提供できることや、消費者のヘルシーニーズに応えられることから、節約・健康志向の消費者向けに訴えられる素材となります。さらに、サステイナビリティを意識する消費者や訪日外国人にも受け入れられやすいこともあり、今後さらなる喫食数増加が見込まれるでしょう。

 (エヌピーディー・ジャパン 東さやか)

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