数字で読み解くフードサービストレンド:植物性代替肉はまだ「流行敏感層がお試し」の段階
大豆タンパクなどを使った植物性代替肉の商品が増えています、という紹介を6月号でしましたが、今回はさらにどんな人が購入しているのかを紹介したいと思います。
エヌピーディー・ジャパンが提供する外食・中食市場情報サービス『CREST』によると、2021年1~4月に外食・中食した食事・間食のうち、植物性代替肉を使用した料理を食べた機会の比率は1.2%でした。消費者の価値観別に、その比率を比較してみると、比率が最も高いのは「流行に敏感で、自分へのご褒美をよく買う」層で3.0%と、合計の2倍以上の比率でした。次に比率が高いのは「高品質重視」層1.9%、「新商品や限定商品に弱い」層1.7%でした。この傾向から考えると、代替肉は、新しいもの好きの人たちに興味本位でお試し購入されている傾向が強層であることが分かります。アメリカでは、消費者の17%は植物ベースの食品を定期的に使っており(The NPD Group調べ)、市場が拡大していますが、利用する理由は、ダイエットなどを含めた健康やウェルネスが最も大きな理由となっています。
日本での植物性代替肉の定着には、具体的な“解決策”=消費者にとっての価値の提供が必要と考えられます。どんな人が、どんなときに食べるといいのか、どんな価値やベネフィットがあるのかを具体的に、商品やプロモーションで提示することが重要となるでしょう。
(エヌピーディー・ジャパン 東さやか)