メニュートレンド:アップグレード鮭フライ! センスあふれる趣向で一新

2023.12.04 538号 02面
とろサーモンレアカツ丼 2,530円(税込み) 半生状のサーモンの鮮やかな色合いが映える。トレー上にアイテムがこまごまと並んでいるのも楽しい。日販120食の一番人気メニュー

とろサーモンレアカツ丼 2,530円(税込み) 半生状のサーモンの鮮やかな色合いが映える。トレー上にアイテムがこまごまと並んでいるのも楽しい。日販120食の一番人気メニュー

小さな器に入ったみじん切り玉ネギ、マヨネーズ、ゆで卵を混ぜ合わせてタルタルソースを作る

小さな器に入ったみじん切り玉ネギ、マヨネーズ、ゆで卵を混ぜ合わせてタルタルソースを作る

サーモンは塊のまま180℃の揚げ油で50秒さっと揚げて半生に仕上げ、厚めに切り分ける

サーモンは塊のまま180℃の揚げ油で50秒さっと揚げて半生に仕上げ、厚めに切り分ける

サーモンカツの下に野菜を敷くことで、彩りよくオシャレ度もアップ

サーモンカツの下に野菜を敷くことで、彩りよくオシャレ度もアップ

【愛用食材・資材】「こいくちしょうゆ」 ヒゲタ醤油(東京都中央区)

【愛用食材・資材】「こいくちしょうゆ」 ヒゲタ醤油(東京都中央区)

 定食屋で人気トップには君臨できずとも、根強いファンが多く安定感のあるメニューといえるのが「鮭フライ」だ。この鮭フライを「サーモンカツ」にアップグレードし、新感覚の丼に進化させたのが「Seafood bar ermitage代々木」の「とろサーモンレアカツ丼」。2000円超という鮭フライとしては高値設定でありながら、その完成度の高さからSNSでも話題を呼んでいる。

 同店の「とろサーモンレアカツ丼」は、厚みのあるサーモンの切り身約120gを半生に揚げ、丼に仕立てている。鮭ステーキを揚げたかのような、従来の鮭フライとは別次元の「レアカツ」だ。「サーモンの塊をレア状に揚げるのは家庭では難しい。店でしか食べられない料理ということでメニュー化した」と、伊藤滉真マネージャーは話す。

 鮭フライをレアカツに進化させた発想だけでなく、随所に加えられた趣向にもセンスが感じられる。“丼”と銘打っているが盛り付ける器は洋風のグリル鍋で、ビジュアルのオシャレ度が高い。ご飯の上には大根、ニンジンのツマと刻み海苔、紫キャベツ、アボカドを敷いて彩りとフレッシュ感をプラスした。洋風のメニューに刻み海苔とツマを添えるのは少し珍しいが、「和の要素を入れ、どのカテゴリーにも当てはまらない雰囲気を出したかった」と、伊藤マネージャーは言う。

 トレーに数々のアイテムが並ぶ様子もにぎやかで気分がアガる。「お盆に小鉢などを並べる定食セットのイメージ。メイン料理だけでなくいっぱい並んでいた方が楽しい」(伊藤マネージャー)と、イクラとトビコ、和風ダレ、タルタルソースを別添えにして並べている。明るい彩りのイクラ、トビコをサーモンカツの上に散らすと見た目がいっそう映え、それぞれ異なる食感がおいしさをアップさせている。タルタルソースは完成前の「みじん切り玉ネギ」「マヨネーズ」「ゆで卵」を器に盛って提供し、お客自らスプーンでゆで卵をつぶしながら混ぜ合わせて作る趣向だ。

 鮭フライ定食というおなじみのメニューも新しい感覚によるアレンジを施すことで、SNSでも注目を集める高価格帯の名物メニューが完成するというわけだ。

 ●店舗情報

 「Seafood bar ermitage(エルミタージュ)代々木」

 所在地=東京都渋谷区代々木1-45-4 代々木山陽ビル1階/開業=2023年3月/席数=56席/営業時間=11時30分~23時。年末年始休/平均客単価=2800円

 ●愛用食材・資材

 「こいくちしょうゆ」 ヒゲタ醤油(東京都中央区)

 バランスよい王道の味

 伝統的な製法で造られ、そば屋などでも広く愛用されている濃口醤油。同店では和風ダレなどに使用。「風味がよく、味のバランスが取れていて使いやすい製品。使っていて不足はまったく感じない。王道の醤油と言っていい」と、伊藤マネージャーは評する。

 規格=1.8L

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