食品メーカーの視点:サラダ・卵メニュー復活 キユーピーが3本柱で外食に注力
キユーピーのフードサービス部門は2024年度、外食のさらなる回復を見据えて(1)サラダ需要回復(2)卵メニュー復活(3)ソリューション提案–の3本柱に注力し、急速に変化する市場ニーズに対応する。8日の合同会見で方針を示した。業務用市場は回復傾向の一方で、人手不足やメニュー数減少など厳しい環境で、こうした課題を解決する新商品と提案を掛け合わせた新たなメニューの活性化に取り組んでいく意向だ。
24年度の業務用市場は回復傾向だが、原資材高騰や鳥インフルエンザ、人件費高騰、メニュー数減少など「課題は23年度とほぼ変わらない」(岩田清司執行役員フードサービス本部長)と見込む。こうした環境下、市場変化への対応として今期は回復する外食にクローズアップしていく。キユーピー全体で「サラダファースト食卓にサラダがあると。」のメッセージを発信。その上で「サラダ価値の啓発」と「サラダ領域の拡大」で業務用市場の野菜摂取量向上に貢献していく。
鳥インフルエンザでメニュー数が減少した卵メニューの復活にも取り組む。在庫や幅広い調達先の確保で卵の安定供給が可能となり、「卵」ならではの魅力を発信。加工品・凍結液卵などで人手不足・調理オペレーションの簡略化に対応。イースターやお月見などで卵の食機会を創出する。
業務用市場におけるソリューション提案の取り組みでは、変化が激しい市場に対して、独自技術の新商品・既存品と、市場変化に対応したメニューやイベントなどの提案を掛け合わせ「新たな需要創造とメニューの活性化を進めていく」(同)考え。来春には肉メニューをターゲットに提案する新シリーズ「具たっぷりソース」を投入するなど、新商品開発にも力を入れていく。