市販惣菜・弁当研究所:秋田県「通町せきや」編
◇SOZAI BENTO LABORATORY
地元で評判の食品スーパー、惣菜店から強烈な魅力を放つ逸品を発掘する本コーナー。今号は売場に大きく掲げられた「秋田の味を売る店」というのれんの文言そのもの、「通町せきや」の自家製惣菜を探った。
●「かぼちゃ煮物」270円(税込み)
100点満点の煮具合
同店人気1位の惣菜。カボチャ煮の好みは「口溶けのよいねっとり派」と「ほくほく感こそ最強派」に二分されるが、同品は見事にそのど真ん中ギリギリのバランスで煮てあり、両者ともに間違いなく満足できる。この煮具合を家庭で再現するのはなかなか難しく、昔ながらの惣菜店の底力を見た。
●「焼きおにぎり(さけ)」324円(税込み)
東北のおばあのおにぎり
同店人気2位の惣菜。おにぎりを網焼きにし、タレに漬けてからさらに網焼きにしているようで、味噌おにぎりに近いうまみの強い香ばしさが広がる。焼きおにぎりは具材なしのものが多いが、サーモントラウトが入っているのもうれしい。しっかりめの味付けで、「東北のおばあの手作りおにぎり」の魅力を体現しているかのような一品。
●「寒たら子醤油漬け」359円(税込み)
ビジュアルは地味だが実力ピカイチ
一見するとしょっぱそうだが、昆布だしが染みた絶妙な味付けで見た目ほどには塩辛くなくパクパクとイケる。同品を一度味わうと、もう普通の生タラコでは満足できない舌になってしまうだろう。「スタッフのイチオシ」のPOPが、単なる定番表現ではなく真実味を帯びている。
●「醤油寒天(くるみ入り)」280円(税込み)
地方の名惣菜に脱帽
煮こごりかと思いきや、まったく別物のほんのり甘いお菓子のような、惣菜のような具だくさん寒天。椎茸、クルミ、卵が入った甘辛醤油味で、おやつ、ご飯のお供とどちらにも有能。クルミの食感のアクセントと煮物を固めたかのような寒天の妙は、他ではまず味わえない美味。これぞローカルスーパーならではの名惣菜!
●「セリとあげ煮物」398円(税込み)
きりたんぽ鍋の黄金コンビが箸休めに
きりたんぽ鍋に欠かせないセリと油揚げ、しらたき、ニンジンを優しい味わいで仕上げた箸休めのお手本のような一品。シャキシャキとしたセリの食感と香りが秀逸。きりたんぽ鍋の名バイプレーヤーである「セリ&しらたき」の黄金コンビを煮浸しに採用したセンスにうなる。
●店舗情報
「通町せきや」
店舗所在地=秋田県秋田市大町1-4-22
※本記事に掲載されている商品は取材購入時の情報です。現在の販売状況は定かではありません。