業界NEWS:外食市場が24兆円規模に回復 2年連続プラスもコロナ前には届かず
日本フードサービス協会がこのほど発表した2023年の外食産業市場規模(中食を除く)は、前年比20.2%増の24兆1512億円となり、2年連続で約2割の大幅プラスとなった。コロナ5類移行に伴う人流回復とインバウンド需要の復活に加え、上昇する食材費・人件費の価格転嫁が市場全体を押し上げた。ただし、コロナ前の19年との比較では8.1%減と低空飛行が続いている。
業種別の内訳は外食22.6%増(20兆9771億円)、給食6.2%増(3兆1741億円)で、5類移行の追い風を強く受けた外食の復調が顕著に表れた。
外食業態別実績は飲食店18.6%増(14兆1313億円)、機内食等73.3%増(1802億円)、宿泊施設30.9%増(2兆7937億円)、喫茶・居酒屋等27.1%増(2兆1044億円)、料亭・バー等35.9%増(1兆7675億円)と、全業態が前年に続き2桁台の伸びを保った。
給食は学校4.0%増(4832億円)、事業所10.3%増(1兆5884億円)、病院2.8%増(7513億円)、保育所給食0.7%減(3512億円)という状況。コロナ禍での出社制限やテレワークの浸透で低調に推移していた事業所給食の回復が目立つ。
23年は保育所給食を除く全業態がプラス化した格好だが、ほとんどの業態がコロナ前の水準に復していない。外食は19年比8.5%減、給食は同5.4%減で、特に外食はナイト系の料亭・バー等(同37.4%減)の回復が遅れている。
なお、中食(料理品小売業)の23年実績は前年比3.1%増の7兆6316億円。中食を含む広義の外食産業市場規模は15.6%増の31兆7828億円で、食の外部化率(食品総市場に占める広義の外食産業市場の割合)は前年比2.1%上昇の38.0%となっている。
※日本フードサービス協会の外食産業市場規模推計は、営業給食(飲食店など)と集団給食(学校給食など)を「給食主体部門」、喫茶・居酒屋などを「料飲主体部門」、中食を「料理品小売業」と定義し、それぞれ部門集計を行っている。本稿では、給食主体部門に含まれる営業給食と料飲主体部門を「外食」、給食主体部門に含まれる集団給食を「給食」、料理品小売業を「中食」に区分した。