アパレルに学ぶ盛り付けのヒント:着回せる安心感がカギ 季節感薄めて“盛る”

2025.02.03 552号 07面
24~25年秋冬は1着で様になる華やかなシャツやブラウスが売れた

24~25年秋冬は1着で様になる華やかなシャツやブラウスが売れた

 繊研新聞社では毎年、12月に秋冬のヒット商品のランキングを掲載しています。2024年は気温がなかなか下がらず、重衣料の動きが鈍い中で、レディース市場で人気の一番は、「シャツ、ブラウス」でした。不安定な気候が続き、シーズンをまたいで着回せる安心感がカギになったようです。そのキーワードとしては、「盛る」「着飾る」などが浮上しています。

 支持されたシャツやブラウスのポイントは、一枚で着ても、映えるデザインにあります。リボンやフリル、ボウ(ネクタイ)付きなど、コーディネートの主役になる華やかなタイプが好まれました。特に、ロマンティックでレトロな雰囲気を高めるフリルが動きました。

 2位は「ジャコット」、3位は「スウェットアイテム」。両方とも残暑の影響が表れたものです。ジャコットは、ジャケットとコートを組み合わせた新しい造語で、この秋冬はテーラードジャケットを基本にコート風の厚手の生地で仕立てたデザインが売れました。

 4位と5位には以前、この連載で紹介したキーワードが入りました。“バレエコア”の影響から広がった「リボンモチーフ」が4位。ボタンの代わりにリボンをあしらったシャツジャケットや小さなリボンをふんだんにあしらったシューズなどにも広がりました。5位が「ベロアのトップ」。まだ暑い時期から取り入れやすい秋冬アイテムとして重宝されました。しばらくは活躍するかもしれません。

 (繊研新聞社 取締役編集局長 若狭純子)

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