Column:ビリヤニがなぜ今、人気か 商品化で即完売も
気になる相手を初めてデートに誘うなら、カフェか、バーか、それともビリヤニか—。多国籍料理店でひっそりと提供されてきたビリヤニだが、昨年、人気アイドルグループが歌い上げる恋愛ソングのタイトルにその名が取り入れられたことで一気に知名度が上がった。SNSでは、「ビリヤニって何」「食べてみたい」という声も目立つ。
ビリヤニは、肉や魚などのさまざまな具材をスパイスと一緒に炊き込んだコメ料理で、主にインドやパキスタン、バングラデシュなどの家庭で親しまれている。22年ごろから、東京の有名店が監修した弁当がCVSで並び始め、消費者の間で話題になっていた。
毎年インドを巡り、現地のレストランや屋台、料理教室で学んだメニューをレトルト食品で提供してきた宮城県岩沼市のNISHIKIYA KITCHEN(ニシキヤキッチン)は、24年9月にレトルト米飯のビリヤニを商品化。本場の素材と製法を取り入れた「チキンビリヤニ」と「野菜ビリヤニ」の2種を直営店やオンラインストアで販売したところ、予定数量が2週間で完売するほどの反響があった。
「香りの女王と呼ばれるインド産のバスマティライスを調達し、独自配合のスパイスで炊き上げた自信作。ハーブのカレーリーフは、県内で契約栽培したフレッシュなものを使っています。反響は予想以上。カレー文化を紹介しているX(旧ツイッター)の有名アカウントに取り上げられたこともヒットのきっかけになりました」。
開発担当者がそう話すように、発売直後からSNSで話題を呼び、オンラインストアの商品ページへのアクセス数は発売から1週間で9倍に跳ね上がった。増産体制を整え、2ヵ月後に再販した際には用意した600食がわずか30分で完売。その後も再販を繰り返し、発売から25年12月末までに計3万8000食を販売した。
同社によると、主力のレトルトカレーは、ギフト需要が高く中心顧客は30~40代の女性だが、ビリヤニは30~50代の男性に人気だという。「スパイス系は男性の嗜好(しこう)に刺さりやすい」とし、「インド料理はこれまで北か南でひとくくりにされてきたが、スパイスカレーが繰り返しブームになる中で、より細かな地域の味に関心がおよび、ビリヤニに光が当たったのではないか」とヒットを分析する。













