メニュートレンド:バーガー新境地!バンズを生地から自家製

2025.04.07 554号 04面
「全部乗せボンバーガー」 1,600円(税込み)

「全部乗せボンバーガー」 1,600円(税込み)

生地は常温で36時間と長時間熟成させる

生地は常温で36時間と長時間熟成させる

同時進行で卵、自家製のパティとベーコンを焼く

同時進行で卵、自家製のパティとベーコンを焼く

焼成温度は360℃と高温。2分弱と短時間で焼き上がる

焼成温度は360℃と高温。2分弱と短時間で焼き上がる

半分にカットして使用。内側には風味付けにオリーブオイルを回しかける

半分にカットして使用。内側には風味付けにオリーブオイルを回しかける

すべての食材を重ねると5cmほどの高さに。最後に鉄串を刺して固定する

すべての食材を重ねると5cmほどの高さに。最後に鉄串を刺して固定する

夜は「バッカ・ピッコリーナ」と店名を変えてイタリア料理をワインとクラフトビールで楽しむオステリアとして営業

夜は「バッカ・ピッコリーナ」と店名を変えてイタリア料理をワインとクラフトビールで楽しむオステリアとして営業

【愛用食材・資材】「カラマンシーヴィネガー」輸入元=エモントレーディングカンパニー(東京都千代田区)

【愛用食材・資材】「カラマンシーヴィネガー」輸入元=エモントレーディングカンパニー(東京都千代田区)

 パティやソースを自家製して個性を打ち出すグルメバーガー店は数多い。しかし、バンズまで自家製、しかも注文を受けてから焼きはじめる店は、東京・鮫洲の「Fooler Fooler」だけではなかろうか。異ジャンルであるナポリピッツァの手法から誕生したユニークなハンバーガー「ボンバーガー」の詳細をお伝えする。

 ●ピッツァの技術応用した新食感 イタリア料理の味付けも新感覚

 「多くのグルメバーガー専門店を視察しましたが、バンズを自家製している店はほぼゼロ。そこで生地から手作りし、注文を受けてから焼き上げればオンリーワンの個性になると考えました」と店長の辻健吾さんは狙いを語る。

 そうした発想ができたのは創業店が食べログ百名店にも選ばれる人気ピッツェリア「Bakka M’unica」だから。同店で仕込むピッツァ生地を丸めて焼き、バンズにすれば仕込みの負担も軽減できると考えたとか。ところが「試食したら驚くほどおいしくなかった」と苦笑い。モチモチと粘り強い歯応えで塩気が強いナポリピッツァの生地は、ハンバーガー向きではなかったのだ。

 そこで改めてバンズ専用の生地を開発。小麦粉の配合を調整し、砂糖や発酵バターを加えるなど試作を繰り返し、ナポリピッツァの香ばしい風味や質感を保ちつつ、サックリとかぶりつきやすいバンズを完成させた。

 一口頬張ると、ナポリピッツァを彷彿させる小麦粉の香りが口の中に広がる。「バンズがおいしいとリピート来店するお客さまは多い。バンズだけ食べたいというファンのために、夜のバル営業ではバンズだけを焼いたものを提供しています」と辻店長は自信を見せる。

 “ナポリピッツァの名店が作るハンバーガー”らしく、バンズ以外の食材もイタリア料理を感じさせる隠し味を施す。下に敷いた葉物野菜には独特な香りのルッコラセルバチカを忍ばせ、パティに塗るソースはバルサミコ酢をたっぷり使ったフルーティーな酸味を利かせている。

 ●店舗情報

 「Fooler Fooler」

 経営=BAKKA/店舗所在地=東京都品川区東大井1-20-3 Qハウス1階/開業=2021年7月17日/坪数・席数=8坪・13席/営業時間=11時30分~15時。不定休/平均客単価=2000円

 ●愛用食材・資材

 「カラマンシーヴィネガー」輸入元=エモントレーディングカンパニー(東京都千代田区)

 上質な香りとまろやかな酸味

 カラマンシーとはシークワーサーに近い東南アジア原産の柑橘類。これの果汁をブランデービネガーと合わせたもので、まろやかな酸味と奥深い甘味が特徴。同店ではサラダのドレッシングやカルパッチョの風味付けに愛用している。

 規格=500ml、100ml

 【写真説明】

 「全部乗せボンバーガー」1,600円(税込み)

 ドリンクとポテト、サラダが付く「欲張りセット」(550円~)などセットメニューも好評。ピッツァ生地を延ばさず焼くことでプクーッと膨らませるパンに近いものは本場ナポリに実在し、「ボンバ=爆弾」と呼ばれる。これをハンバーガーにしたから「ボンバーガー」。斬新な料理の背景に郷土料理があるという「温故知新」な逸品だ

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