近代メニュー革新!繁盛レシピ研究所:ちゃん 朝日本店(他4店舗)「トンテキ」
トンテキパワーを知っているだろうか? トンテキの主役の豚肉は疲労回復効果のあるビタミンB1を豊富に含み、ニンニクにはビタミンB1の吸収を助ける効果がある。また、山盛りに盛られたキャベツは胃腸を調え、肝機能を向上させる効果がある。
つまり、トンテキは体によい。工業地帯として発展した四日市市から生まれたご当地グルメ「四日市とんてき」にはこんな背景もあったのだ。
四日市市周辺に5店舗を展開する、トンテキの人気店「ちゃん」を紹介する。
●営業の概況:発祥店の味が目標 半数以上がトンテキ注文
「ちゃん」は約20年前、豚骨ラーメン店として井村徹・晃さん兄弟で創業した。10年前、徹さんは病気で急逝したが、店名は、兄を慕う晃さんが「兄ちゃん、兄ちゃん」と呼んでいたのが縮まって、「ちゃん」となった。
オープン半年後には、つまみとしてトンテキをスタート。すぐに人気メニューとなった。味は、「子どもの頃から食べ慣れたトンテキの味を自分流にアレンジした」と同店を展開するアイタック・井村晃社長。
本来はラーメン店だがトンテキの注文率が高く、日販は平日約50枚、休日約100枚に達している。
●発祥と展開:B級グルメブームで脚光 県外進出にも強い手応え
トンテキの発祥は、昭和30年代、四日市市内の中華料理店「來來憲」(らいらいけん)。独特な味わいとボリュームが受けて看板メニューとなり、他店にも広がったが、当時は四日市名物と認識されなかった。だが、B級ブームが盛り上がる平成20年に「四日市とんてき協会」が設立され、四日市市のご当地グルメとして認知度が広がっていった。6月末現在、同協会作成のとんてきマップには47店が掲載されている。
また、四日市とんてきは、「グローブ焼き」とも称される手のひら状に切れ目を入れた形態も特徴。だが、誤解されて「切れていない」というクレームを呼んだりもする。そうしたエピソードも話題の一つとなって人気に拍車をかけている。ちゃんでは、食べやすくひと口大サイズにカットした「コマギレ」もあるが、「やはりグローブ状のトンテキを歯でかみ切るのが醍醐味」(井村社長)と言う。
●特徴と調理:豚肉の焼き方にこだわり たれはウスターベースのスパイシー味
トンテキは、分厚く切った豚ロース肉をニンニクとラードで蒸し焼きにし、ウスターベースのソースでからめて焼き上げたもの。分厚い豚肉の火の通りをよくするため、手のひら状に切り目を入れて焼き上げる。
ちゃんでは、200g、厚さ2cmほどにカットした、脂が程良く入った豚肩ロースを使用。肉質が均一で臭みがないという理由から、トウモロコシだけの飼料で育てられたUSポークを使用している。使用量は5店舗で月40tに達するという。
井村社長は「豚肉は焼きすぎると硬くなる。肉が一番軟らかくておいしい、『火が通りきるその瞬間』を狙って焼き上げるのが腕の見せ所」とこだわりを語る。
ソースは、厳選した特上ウスターソースをベースに10種類を超す香辛料や調味料を調合し、時間をかけてなじませたスパイシーな秘伝のたれ。このソースを鍋肌で酸味を飛ばし、火の通った豚肉に絡めるのが秘訣だ。
●店舗情報
「ちゃん朝日本店(他4店舗)」 所在地=三重県三重郡朝日町大字小向262-1/敷地・席数=25坪・60席/営業時間=ランチタイム午前11時半~午後3時、ディナータイム午後6時~翌午前0時半、無休
●エバラで再現!模擬レシピ「ステーキソース ガーリック&オニオン」でやってみよう!
■作り方 フライパンにサラダ油を熱し、にんにくスライスを炒め、グローブ状にカットした豚ロース肉を加えて焼く。肉に火が通ったら、本品を絡めて調味する。使用量は、肉100gに対し、本品25gが目安。
○使用食材「厨房応援団 ステーキソースガーリック&オニオン」
肉料理のバリエーションが広がる!
醤油ベースにオニオンとガーリックを加えた、旨味とコクが自慢のステーキソース。肉料理のバリエーションを手軽に広げることができる。固形具材もたっぷり入り、手作り感にあふれる逸品。
規格=1L