必要だから根強い!地域密着繁盛店ルポ:古寿茂「タンメン」

2014.02.03 419号 15面
古寿茂(こすも)

古寿茂(こすも)

タンメン650円 ※月曜日は550円

タンメン650円 ※月曜日は550円

 ●ビジネスマンに育まれた憩いの中華 月曜のタンメンは日本橋の週明け儀式

 東京都は中央区、日本橋界隈で5店舗を展開する「古寿茂」は、年配男性ビジネスマンご用達の中華料理店。昔ながらの定番メニューを掲げる平凡な営業スタイルだが、いずれの店も根強い常連客を獲得。半径200m商圏、25坪・45席を目安に昼・170~180人、夜・70~80人を集客する繁盛ぶりを年間通している。

 店舗運営責任者の石巻心大取締役は「40~50代の男性客が95%以上。それも週1~3日来店される常連客ばかり」と明かし、「紳士的な年配ビジネスマンが多い日本橋では、基本に忠実な姿勢が支持されます。なので定番メニューの充実が第一」と強調する。

 石巻取締役が指摘する“基本に忠実”とは、「基本の研鑽」「お値打ち」「ボリューム」の三拍子。新たな料理、奇抜なサービスを提供するよりも、その三拍子を突き詰めることが、日本橋では求められるという。

 そんな「古寿茂」の看板料理は、野菜350g を投じた「タンメン」(650円)。平日は日販・約20杯だが、日替わりサービス(550円)で提供する月曜日は来店客の7割以上が注文する人気ぶりで、日本橋の週明け儀式として「これを食べなきゃ1週間が始まらない!」と叫ばれるほど。

 「タンメンは、単に野菜が多いだけではダメ。野菜を強火で手早く炒めてスープと合わせるのが、具材の香りと甘味を出す決め手。簡単なようで奥深い」と石巻取締役。「日本橋は、そうした地味な“技術の妙”を評価してくれる土地。だから基本の研鑽が大切なのです」と原理原則を説く。

 いわば中華の社員食堂ともいうべき古寿茂は、大人が育てた大人のための、もはや日本橋には欠かせない憩いの場といえる。

 ●店舗情報

 「古寿茂(こすも)」 所在地(兜町店)=東京都中央区日本橋兜町8-11

 ●会社概要

 経営=(株)コスモフーズ/事業内容=創業1995年。東京都中央区日本橋室町に古寿茂1号店を出店。現在、日本橋界隈の古寿茂(5店)を中核に全15店を展開。

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