メニュートレンド:女性店主が提案する女性へのうどん 「うどん工房 悠々」

2013.12.02 417号 01面
写真手前より、「蛤とあさり灰わかめのご馳走うどん」(950円)、「サラダのかき揚げぶっかけ」(800円)。かき揚げには野菜6種類、サラダには同7種を使用

写真手前より、「蛤とあさり灰わかめのご馳走うどん」(950円)、「サラダのかき揚げぶっかけ」(800円)。かき揚げには野菜6種類、サラダには同7種を使用

明るく清潔感ある店内

明るく清潔感ある店内

 兵庫県尼崎市にある「うどん工房 悠々」は、女性オーナーが腕をふるう、女性をターゲットにしたうどん店。麺は力強さを感じるさぬき系でありながら、メニューや店の雰囲気からは、繊細さや気配りが感じられる。その魅力により、客数の増加とともに女性客の支持も集め、人気店として評判を呼んでいる。

 ●野菜と魚介でオリジナルメニューも考案 利用しやすく女性客7割以上

 「うどん工房 悠々」は、若い女性オーナーの中山優子さんの店。結婚してママになり、うどんとは縁のない生活をしていたところ、2年前に父親のうどん店を引き継ぐことに。「自分がやるからには、独自のカラーを打ち出して、特化した店に」と、ガラリと店をリニューアルしてスタートしたという。

 味は、今まで提供してきた大阪うどんではなく、関西で支持が高いさぬきうどんに。製麺機メーカーのうどん学校や、さぬきうどんのチェーン店、大阪で評判の店などでうどん作りのノウハウを学び、自分のうどんを考案した。

 中山さんが考えた“独自のカラー”とは、自分の感性を生かした、女性が利用しやすい店づくり。メニューにもその意気込みは反映されており、具材には、野菜と魚介を積極的に採用し、見た目の美しさでも女性にアピールしている。客層は、午後1時まではサラリーマン、その後は女性客の割合が増え、全体では、女性客は7~8割を占める。

 メニューは、生醤油などのオーソドックスなさぬきうどんのほか、オリジナルメニューも用意。例えば、冬限定の「蛤とあさり灰わかめのご馳走うどん」(950円)は、たっぷり入った貝に圧倒される一品。昆布とカツオの厚削り節などでとった濃いめのだしに、貝のだしが加わって、うま味と風味が存分に感じられるうどんに仕上げている。

 さらに、同店一番人気の「サラダのかき揚げぶっかけ」(800円)は、野菜のかき揚げにサラダを添えた、ヘルシー感たっぷりのメニュー。ごまだれも添えられており、途中でサラダにかければ、味の変化が楽しめる。このようなきめ細かい演出も、女心をつかむポイントであろう。

 麺は、国内産小麦粉3種類をブレンドし、適度なコシとともに、もっちり感を大切にした口当たりに製麺。前日からこねて熟成させる手法だが、熟成温度や時間を調節して、できるだけ時間をかけずに納得できる味へと仕上げているという。

 「うどん店では、早朝から働いている店も多いですが、私の場合は、家庭の仕事もあります。長く続けるためには、店と家庭を両立させることが大切と考え、試行錯誤しながら作り上げたスタイルです」。自分自身が、キッチリとうどんづくりや経営できることを証明し構築していくことで、より女性が進出しやすくなればという使命感があるという。男の世界というイメージが強いうどん業界だが、成長するウーマンパワーに今後も注目である。

 ●店舗情報

 「うどん工房 悠々」 所在地=兵庫県尼崎市南塚口町2-1-2 塚口さんさんタウン2番館1階/開業=2011年4月/営業時間=午前11時~午後3時、5時~9時。月曜休/坪数・席数=約10坪・13席/1日平均来客数=100人/平均客単価=850円

 ●愛用資材・食材:「46億年」

 大和製作所(香川県綾歌郡)

 同店が製麺用の塩として愛用しているのが、海水と同じミネラル分に調整して作られた、業務用麺専用塩「46億年」。大きな魅力はゆで上がりが早い点で、基本的にゆで置きをしない同店では、この塩は必需品という。また、おいしく仕上がり、劣化が遅いことなどメリットが多く、一般的な塩に比べ高価だが、今後も使い続けたい商品である。

 規格=3kg×7袋

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