メニュートレンド:新業態「串天ぷら」に大注目 「串天ぷら 段々屋」
創作うどん店「一滴八銭屋」など3店舗を経営する(有)一滴八銭屋が発信する新業態、「串天ぷら 段々屋」が今年2月、東京・新宿にオープンした。素材の組み合わせが楽しいオリジナル天ぷらをすべて「串」で提供する同店は、これまでにはない新しい「天ぷら屋」として注目を集めている。
今年2月にオープンした「串天ぷら 段々屋」は、(有)一滴八銭屋の新しい業態店である。
同社代表取締役の大藪由一郎氏によると、「これまで天ぷら屋というと、500円前後の低価格店、あるいは1万円台の高級店がほとんど。その中間の価格帯で、デーリーユースの天ぷら屋を目指した」とのこと。
オープン当初、串天ぷらは単品、または盛り合わせで提供していたが、居酒屋メニューの1カテゴリーとして埋もれてしまうことを危惧し、さらに串天ぷらの認知度を高めるため、現在では提供方法を変更。「壱の膳」(5本、ざく切りキャベツ付き/1280円)、「弐の膳」「参の膳」「四の膳」「伍の膳」(各3本/680円)を設定し、基本的におまかせで、「次は何が食べられるのだろう」といったサプライズを、お客が楽しめるスタイルを採用している。また、気に入った具材のリピートや別の具材を試したい場合には、1本250円で追加することも可能だ。
「いつ来ても、新しいものを食べられるように」と、野菜や魚介類など単品の具材を使った一般的な天ぷらメニューではなく、「創作串天ぷら」ともいえる、魅力的なオリジナル天ぷらを豊富にそろえている。
例えば、竹輪にひき割り納豆を挟んだ「ちくわ納豆」や、ギョウザのあんを湯葉で巻いた「湯葉ぎょうざ」、だし醤油で漬けた「漬けうずら」、ガリを挟んだ「おつまみ魚肉ソーセージ」など、素材と素材の組み合わせを、調理する側も楽しんでいることがうかがえる。
これらはすべて味付きのため、そのままで、または塩で食べる。蛇足だが、大藪氏の出身地である四国地方では、あらかじめ味付けした具材を使った天ぷらがある。同店の創作天ぷらのバックボーンとして、こうした味付け天ぷらの存在も無関係ではなさそうだ。
1本のボリュームは、一般的な「串揚げ」よりもあるが、キャノーラ油だけでさらっと揚げているため、衣はサクッと軽い食感でしつこさがなく、1人平均7~8本は食べるという。すべて店舗で仕込みをするため、毎日平均400本ほどを串打ちしている。
締めの食事として「特製天茶」(780円)も準備し、気軽に天ぷらを楽しむことのできる新しいスタイルの店として、今後さらに注目が集まることだろう。
「串天ぷら 段々屋」/経営=(有)一滴八銭屋/店舗所在地=東京都新宿区西新宿1-14-2/開業=2008年2月/営業時間=月火土曜・午後5時半~11時(LO10時半)、水木金曜・午後5時~翌0時(LO午後11時)/定休日=日曜・祝日/坪数・席数=45坪・86席/客単価=4000~4500円/1日来店客数=平日60組、休日40組/目標月商=1000万円/初期投資=4000万円