ニューヨーク通信 外食ビジネスの新発想(18)ハイテク回転寿司アメリカ上陸「サカエスシ」
「日本食をリーズナブルに」をコンセプトに、東南アジア全域に店舗を広げたシンガポール発の回転寿司チェーン「サカエスシ」が、このほどアメリカ大陸にも進出。第1号店はマンハッタンのオフィス街にオープン。第2号店は、グリニッチビレッジにオープンの予定。インターアクティブなPC画面でのオーダー、回転ベルト、ウエーターサービスの三つ巴で、お客は寿司を選んで食べることができる。メニューも幅広く、テークアウトや24時間対応のケータリングなど、さまざまな顧客のニーズに応えるハイテク回転寿司だ。(外海君子)
「サカエスシ」は、1997年シンガポールで創業。創業者のダグラス・フーさんは、寿司好きにもかかわらず、値段を心配しながら食べる奥さんを見て、リーズナブルな値段でクオリティーの高い日本食を提供することを思い至った。
以来、東南アジア各国に支店を次々にオープンし、現在、シンガポールに39店舗、フィリピンに7店舗、中国に7店舗、マレーシアに4店舗、インドネシアに3店舗、香港に2店舗、タイに1店舗展開と、ここ10年で急成長した。このほどオープンしたアメリカ第1号店は、グランド・セントラル駅近くのオフィス街に位置するクライスラービルの1階にあり、多くのビジネスマンでにぎわう。
グリーンを基調にした店内は清潔で明るく、全長97フィートの回転ベルトコンベヤーが店内を回っている。マルチカラーのプレートが1$90¢、ピンクのプレートが3$90¢、赤のプレートが6$90¢。
回転寿司のほかに、アラカルトのメニューもあり、各種茶碗蒸し(3$90¢)、揚げ物(チキンカツや鳥の唐揚げなど4$90¢~8$90¢)、天ぷら(6$90¢~10$90¢)ほか、丼物、すき焼き、弁当セット、ラーメン、うどん類に至るまで、選択肢は幅広い。目新しいところでは、サーモンやハマチのカルパッチョや寿司バーガーなどもある。
注文は、ウエーターに頼むこともできるが、備え付けのパソコンの画面からもオーダーできる。大多数の人がこの「インターアクティブ・メニュー」でオーダーするという。画面には具体的な写真も出ており、トータル金額も出て、ユーザーフレンドリーで使い勝手がいい。もちろん、座席の横には、寿司をのせた回転ベルトが流れており、手を伸ばして好きなものを取ることができる。座席にパイプでお湯が流れており、いつでも熱い緑茶を飲むことができる。
テークアウトや24時間デリバリーのほか、間もなく、焼肉マフィン、おにぎりセット、サラダラップセット(それぞれ3$90¢)の3種の朝食も提供し始める。
J-ポップのサウンド・トラックの流れる中、寿司からウナギ丼、きつねうどんまで食べられる、シンガポール発のハイテク回転寿司チェーンは、今後、アメリカ全土に支店を展開していく予定だ。
●事業データ
店舗名=サカエスシ(Sakae Sushi)/所在地=Chrysler Building,405 Lexington Avenue New York, NY 10174、電話1.877.SAKAE.USA(1.877.72523.872)/開業日=2008年1月15日/営業時間=月~土曜 午前8時~翌午前0時、日曜 午前8時~午後10時(朝食午前7時~11時)/坪数=3,121平方フィート/席数=70人/客単価=昼$15~20 夜$20~25/1週間来客数=800人/スタッフ=25~30人
●人気メニュー
「紙鍋」(鶏、海鮮、牛があり、それぞれ、12$90¢,13$90¢,15$90¢)
「天ぷら盛り合わせ」(10$90¢)
「刺身クラシック」(18$90¢)
「サカエスシ レギュラーセット」(10$)
「鯖塩焼き&揚出し豆腐弁当セット」(13$90¢)