きゃぴっ子隊が行く!(14)とんかつ鈴新
花柳界がまだ華やかなりしころ、四谷荒木町にできた「とんかつ鈴新」。創業50年というこのお店の看板商品は、ズバリ「カツ丼」。しかも1種類だけではなく、「煮かつ丼」「かけかつ丼」「そうすかつ重」(各1100円)と「かつ丼3兄弟」が勢揃い。普段、カツ丼を食べる機会などほとんどない乙女な隊員たちは、「3種類もあるなんて!?」と興味津々。サラリーマンに混じって、ランチタイムにお邪魔しました。
◆「煮かつ丼」は一番オーソドックスな、いわゆる普通のカツ丼。カツ自体はそれほど肉厚ではないけれど、食べ応えあり。でも、やや甘めかな。
■「かけかつ丼」は、先にご飯の上にカツをのせて、その上に卵と玉ネギをのせてある。たっぷりの玉ネギはシャキシャキ、卵は半熟。なんといっても、カツのサクサクの歯応えを楽しめるのがうれしい。
●でも時間がたつと、卵のかかっているところはしんなりしてきちゃうから、煮かつ丼とあまり違いがないような気もするけど。
■確かに…。だけど何もかかっていないところは最後までサクサクだったし、豚肉の甘みがしっかり出ていておいしいよ。
◆蓋をして運ばれてくるから、その時点で多分、ちょっと蒸されちゃっているんだね。
●「そうすかつ重」は想像以上においしかったなぁ。サクッと揚がった豚カツを味わうには、この商品が一番だと思うよ。甘辛いソースは、豚カツのうまさとキャベツの甘さを最大限に引き出してくれる絶妙な味。さらに辛みの全くない大根おろしがたっぷり。「ソースと大根おろしの組み合わせ?」って心配だったけれど、意外に合うのね。
■揚げたてのカツを、まだ熱い状態で包丁を入れるから、カウンターで座っていると、「サクッ」と、とてもよい音が聞こえてくる。
◆切ってすぐに盛り付けられて運ばれるから、本当に出来たてのホヤホヤ。
●今まで、こんなに熱いカツ丼を食べたことないよ。信じられないくらいの熱さだったよね。
■本当、口の中がやけどしちゃうんじゃないかっていうぐらい。
◆でも、油っぽさを一切感じなかったのは、自家製のパン粉とラードを使って、高温で揚げているから…なのかな?
■ご飯の量を5段階で調節してくれるのは、いいサービスだよね。
●やや少なめの「4」にお願いしたけれど、それでも結構なボリュームがあって、完食はかなりきつかったな。男の人の胃袋が基準なのかも。
◆魚沼産コシヒカリで、甘みがあるおいしいご飯だったんだけどね。
●カツ丼はすべて、お新香、豚汁、デザート付き。私はデザートの牛乳寒天がうれしかった。カツ丼や豚汁で口の中が少し油っこくなっていたのが、さっぱりしたもん。
■他のお客さんは、ほとんど常連さんみたいだったね。丼物を頼んでいる人はいなくて、みんな定食を頼んでいたみたい。
●ミックスフライの注文が多かったんだよね。ほとんどが「アジフライと○○」の組み合わせ。
■中にはメニューにないものもフライにしてもらっているお客さんもいたよね。ちょっとうらやましかった。
◆イカフライもおいしそうだったんだけどなぁ。
■私たちの行った日は、おなじみさんだけだったみたい。でも、よそ者の私たちにも、お店の方たちの接客が温かくて、居心地よかったよね。
●建物はかなり古そうだったけれど、掃除が行き届いていて、きれい。すがすがしいぐらい。
◆油のにおいもしないし、男性客の多いお店だけど、しっかり女性にも好まれる店づくりをしているんだなって感心しちゃった。
■毎月12日は「とんかつの日」で、ランチタイムは定食全品100円引きらしいから、ぜひともまた行ってみたい。
●ところでさぁ、豚カツ3兄弟のどれが長男、二男、三男だったの?
◇店舗メモ
「とんかつ鈴新」/所在地=東京都新宿区荒木町10-28 十番館ビル1階/営業時間=午前11時~午後1時半、5時~9時(LO8時半)/定休日=日曜日 http://www.suzushin.jp/
◇きゃぴっ子隊=都内の某コンサルティング会社に勤務する、おいしいもの大好きなOLたちで結成する食べ歩きサークル。彼女たちの率直な、そして少々辛口の食べ歩きレポートをご紹介します!