メニュートレンド:スープで韓国の魅力を表現 「すーぷ房くだら・花隈店」

2009.02.02 353号 02面
一番人気の「ピリ辛とうふスープ」。最後にプラスされる生卵で、より味がまろやかになる

一番人気の「ピリ辛とうふスープ」。最後にプラスされる生卵で、より味がまろやかになる

 スープ専門店といえば、女性をターゲットにした軽食のイメージだが、男性から根強く支持されている繁盛店がある。神戸・元町の高架下にある「すーぷ房くだら・花隈店」である。珍しい韓国スープ専門店として、遠くから訪れるファンも多い。その魅力を探った。

 「すーぷ房くだら」は、神戸で20年以上の歴史を持つ、韓国レストラン「百済」の新業態。オーナーの金輝子(キム・ヒジャ)さんは、韓国料理研究家として、料理指導の面でも活躍中である。

 「韓国料理というと、ニンニク臭いなど、偏ったイメージでとらわれがち。そこで、韓国スープ専門店という日本では珍しい形態で、韓国料理のおいしさを紹介したかった」(金輝子さん)とし、「より手軽に楽しめるよう、手ごろな価格設定を目指した」という。

 スープメニューは計10種類で、辛いものや辛くないもの、スープカレーなど、その多彩さにまず驚く。1人用の小ぶりの鍋にはスープがたっぷりと入り、ご飯とキムチ2種類付きで600円から。食事メニューとして、十分に満足できるボリュームである。

 なかでも1番人気なのが、「ピリ辛とうふスープ」(750円)。具材は、絹ごし豆腐と牛すじ、トック、玉ネギ、青ネギで、出来上がり直前に生卵を加えたミールスープだ。熱々のスープは、1口目にはまず甘みを感じ、辛さがじんわりとやってくる。スッキリした後味の、やさしい味わいという印象だ。

 スープのベースには、牛骨でとっただしと、野菜や肉などをピューレ状にしたものを合わせて調味している。そのうまみが、飽きのこないおいしさを演出している。さらに、辛さを売りにするスープには、特製の薬味だれを加えたスープベースを使っているという。

 スープメニューのほか、チヂミやナムルなどの1品料理も用意している。ランチタイムだけではなく、夜の利用客も多く、週末には遠方からのお客でもにぎわっている。また、男女比は半々ながら、女性の“お1人さま”が多いのも特徴だ。同店のスープから感じる家庭的なぬくもりも、1人客を引き付ける魅力の1つといえる。

 「若者だけではなく、幅広い年齢の方が来られます。これからもヘルシーな韓国料理の魅力を広げていきたいですね」(金さん)という。

 2007年にオープンした2店目の湊川店も堅調に業績を伸ばしている。韓国スープファンは着実に広がりそうだ。

 ◆「すーぷ房くだら・花隈店」/店舗所在地=神戸市中央区元町高架通3-227、電話078・360・5458/開業=2000年5月/営業時間=午前11時~午後11時、水曜定休/店舗面積=約30坪、席数=48席/スタッフ数=5~7人/1日来店客数=平日約250人、週末約300人/客単価=1300円

 ●人気ランキング ※メニュー名(価格)/1日食数

 (1)「ピリ辛とうふスープ」(750円)/約80食 韓国の定番料理。辛さとうまみがマッチした人気メニュー

 (2)「すじスープ」(700円)/約70食 たっぷりの牛すじに、大根、シメジ、玉ネギ、ネギなどが入る、辛くないタイプ

 (3)「田舎やさいスープ」(700円)/約60食 具材のメーンは、大根菜や白菜など。コメのとぎ汁とだしでじっくりと炊く、辛くないタイプ

 (4)「キムチスープ」(700円)/約50食 熟成させたキムチから出るうまみがたっぷり

 (5)「すーぷ房カレー」(700円)/約40食 子どもにも人気のカレースープ

 ◆愛用・食材

 (株)百済(神戸市中央区) 百済特製「薬味ダレ」

 ピリ辛とうふスープのポイントになるのが、基幹店「百済」特製の「薬味ダレ」。このたれをプラスしたスープで具材を煮込むことで、適度な辛みとコクが生まれるのだ。また、辛くないスープには、このたれを添えて、好みの辛さに調節してもらう。材料は、醤油、ニンニク、ショウガ、唐辛子など。辛さの程度は普通で、サラダや冷や奴、チヂミなどにも合う商品だ。店頭のほか、大丸神戸店の食品コーナーでも販売中。150g=500円

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