宅配サービスの注目株(19)ティーエッセンス「一等米おにぎり専門店 ぼんご弐」

2009.02.02 353号 23面

 東京・文京区にある「ぼんご弐」は、大塚にある老舗おにぎり専門店「ぼんご」ののれん分けとして、昨年6月にオープン。客席数20席の店舗でのイートインをメーンとしているが、テークアウトや宅配にも力を入れており、周辺の企業や学校などからの注文が順調に伸びている。宅配では珍しい「おにぎり」というメニューは、さまざまな場面でのニーズがあり、今後さらに注目を集めていくことだろう。

 一等米おにぎり専門店「ぼんご弐」では、1日約400個のおにぎりが“手握り”されている。その半数がテークアウトやデリバリーの注文によるもの。

 1個190~280円のおにぎりは、いわゆる“コンビニおにぎり”の平均的サイズの約1.5倍、160gという食べ応えのある大きさで、すべて注文を受けてから握られる。

 カウンターのネタケースには常時30種類の具が並び、イートインの場合は、寿司屋のようにケースの中の具を見てから注文することもできる。これらの具は、すべて店内で調理されたものだ。

 おにぎりに使われる米は、全国で284人しかいないという「五ツ星お米マイスター」が、契約農家で作られた会津産コシヒカリをはじめ、その他3種類をおにぎり専用に精米・ブレンドしている。

 「ブレンドするコメはすべて一等米で、いわば、コメの『大トロ』。これをガス釜を使って炊き上げ、コメの甘さをより感じるように空気を含ませて握ります」と、同店を経営する(株)ティーエッセンス代表取締役・石塚龍樹氏。

 コメ以外にも、海苔は有明産、塩は沖縄産と、おにぎりというシンプルな商品だけに、食材は選び抜かれたものばかり。

 昨年12月からは、自慢のコメを「ぼんご弐の米」(5kg3500円)として店頭で販売しており、好評とのこと。いずれはお年寄りや1人暮らしの方などに、コメを宅配するサービスも考えているという。

 基本的にデリバリーは、前日までの5000円以上の注文に限定。また、近くの私立高校と契約し、教職員の昼食用として毎日10食程度を配達している。

 「運動会やPTAの集まりなどの学校行事での利用も増えています。近隣の大手出版社からのご注文も多いですね」(石塚氏)

 おにぎり1~3個と惣菜、唐揚げ、ゆで卵、お新香のパック(500~950円)のほかにも、おにぎりだけの注文も可能であり、パーティーや打ち上げなどでの利用が多い。平均客単価は7000~1万円。

 現在はまだ宅配の専任スタッフはおらず、徒歩または石塚氏の車を使って配達している。弁当1パックに対して配達料を50円加算しているが、「料金がかかっても配達してほしい」との声が圧倒的という。

 元広告代理店の営業マンという経歴を持つ石塚氏は、「食事の時間を取ることもままならない営業の方たちにとって、早朝のミーティングや営業会議などの場で、手軽においしく食べられるおにぎり弁当のニーズは多いはず」と考え、周辺の法人を中心に認知度を高めていき、デリバリー部門での売上げ20%増を目指す。

 今年3月には池袋に2号店を出店予定。FC展開も視野に入れている。

 ◆「一等米おにぎり専門店 ぼんご弐 護国寺本店」/経営=(株)ティーエッセンス/所在地=東京都文京区音羽1-17-14 大林ビル1階、B1階/営業時間=午前10時~午後11時、土・祝~午後9時半(いずれもLOは30分前)/定休日=日曜日/平均月商=400万円

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