低コストにこだわる必勝居酒屋メニュー(その28)エリンギ
エリンギは、この数年で急速に消費が増えている食材で、特に女性に人気が高いことが特徴となっている。ほかのキノコに比べて食物繊維が約2倍と際立っているうえ、ビタミン類やナイアシン、トレハロースなども含まれており、ヘルシーな要素が強いことも人気の一因だ。
香りや味はやや薄いものの、エリンギの魅力はその食感のユニークさにある。切り方で食感は大きく異なるのも面白い特徴で、特に3~4mmの厚みにスライスして加熱するとアワビのような食感になり、元の姿が分からない形で調理すると、その意外感が喜ばれる。
クセがないので和・洋・中といずれの料理にも応用が利く。香りが少ない分、ほかの風味になじみやすいとも言えるので、調理に際してはなるべく香り高い食材と組み合わせたり、調味料も意識して香りの生きるものを選択したい。
やや小さめのものや大きすぎのものなど、中心サイズから外れたものは、かなり安く仕入れられるので上手に活用したい。油脂分とのなじみがよいので、良質なものを多めに使う調理法が最も向く。本来は南ヨーロッパや中央アジア、北アフリカなどに自生していたものなので、やはり地中海風料理や、オリーブ油、トマトなどとの相性がよく、おいしく食べられる。
◆エリンギのベーコンカツ
■参考原価=148円
■使用食材(1人前)
エリンギ(小さめ60g)ベーコン(20g)キャベツ(ざく切り30g)レモン(くし型1/8個)パセリ(少々)トマトソース(30g)パン粉(12g)卵水(8ml)薄力粉(6g)揚げ油(適量)
■調理法
(1)エリンギは5cmの長さに整え、1/2に縦割りにする。
(2)ベーコンを1/2に切ってエリンギに巻きようじで止める。
(3)薄力粉、卵水、パン粉を付けてフライにする。
(4)皿にキャベツを盛り、(3)を盛り付ける。
(5)パセリ、レモンをあしらい、トマトソースを添える。
■メニュー開発のコンセプト
ジューシーでシャキッとした食感のエリンギとベーコンのうまみがマッチした、新しい味わいの揚げ物つまみ。
■応用のヒント
チーズを挟み込んで作るとさらにおいしくなる。
◆焼きエリンギの和風バーニャカウダ
■参考原価=124円
■使用食材(1人前)
エリンギ(80g)レモン(1/8個)大葉(1枚)ニンニク(みじん切り5g)アンチョビフィレ(3g)タカノツメ(輪切り0.1g)バルサミコ酢(5ml)バージンオリーブ油(40g)醤油(5ml)
■調理法
(1)エリンギを丸のままあぶり、細かく裂く。
(2)バージンオリーブ油を熱し、ニンニクを炒める。
(3)アンチョビフィレをすりつぶして加え、タカノツメを加える。
(4)バルサミコ酢を加え、醤油を入れて混ぜる。
(5)皿に大葉を敷き、(1)を盛り、レモンを添える。
(6)(4)のたれを別器に入れて添える。
■メニュー開発のコンセプト
香ばしく焼いたジューシーなエリンギをニンニクを効かせたオイルにつけて食べる、バーニャカウダの手法をアレンジした簡単なつまみメニュー。
■応用のヒント
バルサミコ酢の代わりに普通のワインビネガーや米酢でもおいしい。