低コストにこだわる必勝居酒屋メニュー(その30)ネギトロ
ネギトロは本来トロの手くずを鉄芯として使い始めたことから一般化したもので、量も少なく、コストも高い特殊な食材だった。それがネーミングの一般化とともに業務用食材として進化し、現在では赤身やむき身をベースとした新しい商材として定着している。混合される脂肪の種類とその割合や、原料となるマグロの種類や部位によって味も価格も多様な製品があるので、使用するメニューによって使い分けると便利。
一般的には寿司や米飯との組み合わせになるが、定番のつまみメニューにアクセント的に使用するのも一法だ。納豆やオクラ、長芋などのネバトロ系食材と組み合わせたり、冷や奴やサラダ的メニューにもよい。アボカドなどとともに生春巻き仕立てにしたり、フランスパンにのせてブルスケッタ風に、あるいはカルパッチョ風のスタイルにするのも楽しさがあってよい。
味付けも醤油系だけでなく、塩・コショウとオリーブ油といった洋風味や、コチュジャンやチリソースなどのエスニック味に仕立てるのもおいしい。
ポイントとなるのは「薬味」の使い方。脂っこさがあり、香りがない食材なので、さまざまな香味野菜やハーブ、スパイスなどで風味を加えることで、飽きずに楽しめる味になる。
◇ネギトロ五彩豆腐
ネギトロで高付加価値化
■参考原価=185円
■使用食材(1人前)
ネギトロ(30g)オクラ(15g)長芋(8mm角15g)赤玉ネギ(8mm角15g)長ネギ(みじん3g)万能ネギ(刻み4g)水菜(4cm幅4g)納豆(20g)絹ごし豆腐(120g)練りワサビ(2g)A(土佐醤油10ml、そばつゆ20ml、水5ml)
■調理方法
(1)オクラはサッとゆでて氷水にとって冷やしスライスする。
(2)豆腐を型抜きする。
(3)ネギトロと長ネギを混ぜる。
(4)皿の中央に(2)を置いて(3)をのせる。
(5)野菜類と納豆を周りに盛る。
(6)練りワサビを添え、万能ネギを散らす。
(7)Aを混ぜ合わせ、別添えにする。
■メニュー開発のコンセプト
豆腐にネバトロ系の野菜と納豆を添え、ネギトロとともに混ぜて食べるスタイルのつまみ。さまざまな食感とネギトロのうまみがアクセントになった高付加価値メニュー。
■応用のヒント
調味料は醤油だけでもよいし、濃いめのそばつゆだけでもよい。卵黄を加えるとさらにコクが増す。
◇ネギトロカルパッチョ
型抜きでおしゃれに演出
■参考原価=168円
■使用食材(1人前)
ネギトロ(40g)アボカド(6mm角20g)トマト(1cm角10g)ルッコラ(少々)パセリ(みじん少々)ポワブルロゼ(少々)クスクス(25g)おろしニンニク(1g)長ネギ(みじん3g)マヨネーズ(15g)塩(0.3g)粗びきコショウ(0.2g)オリーブ油(5g)バルサミコ酢(10ml)フレンチドレッシング(6ml)熱湯(30ml)
■調理方法
(1)バルサミコ酢を1/5量に煮詰めて冷やしておく。
(2)ネギトロ、長ネギ、塩、コショウ、オリーブ油を混ぜる。
(3)マヨネーズとおろしニンニクを混ぜる。
(4)クスクスに熱湯を加え、10分ほど蒸らし、フレンチドレッシングで調味し冷やしておく。
(5)皿に(4)を型抜きして置き、セルクルを置く。
(6)アボカドを入れ、(2)を重ねて軽く型づけて抜く。
(7)トマトをのせ、(3)を絞りかけ皿に盛る。
(8)ルッコラ、ポワブルロゼ、パセリを散らし、(1)をかける。
■メニュー開発のコンセプト
ネギトロに塩、コショウ、オリーブ油で味付けし、ニンニク入りのマヨネーズと煮詰めたバルサミコ酢のソースで食べるおしゃれなイメージのカルパッチョ。
■応用のヒント
クスクスの代わりにスライスしたフランスパンを使っても美味。