近代メニュー革新!繁盛レシピ研究所:沖縄ちゃんぽん でいご食堂「ちゃんぽん」
“ちゃんぽん”といえば野菜たっぷりの長崎ちゃんぽんを思い浮かべるが、沖縄でちゃんぽんといえば、全く異なる飯物が出てくる。早い話、肉野菜炒めの卵とじを白飯にのせたご当地丼だ。沖縄の飯物といえば若者文化から発祥したタコライスが有名だが、地元ご用達のソウルフードとしては、実はちゃんぽんの方が古く、年配客の支持が根強い。地元客に愛され続けている沖縄ちゃんぽんの老舗を紹介する。
○沖縄だしで野菜しんなり ご当地きっての正統派
那覇港に近い工場街に店を構える「でいご食堂」は、創業45年を迎える大衆食堂の老舗。自慢の「ちゃんぽん」は、タクシー運転手ご用達で長年親しまれ続けている、ご当地きっての正統派沖縄ちゃんぽんだ。
「沖縄ちゃんぽんは、タクシー運転手の早食いに応えて作られたと聞きます」と発祥を語るのは金城カズ子店主。「食堂ではいまや定番ですが、家庭料理ではあまり聞きませんね」と外食特化を説く。
でいご食堂のちゃんぽんは一言でいえば、野菜たっぷりの“健康丼”だ。1皿約300gもの野菜が簡単に胃に収まる。ここに、野菜炒めとは違う、沖縄ちゃんぽんの特徴がある。
「野菜を軽く炒めたあと、だし汁を加えて煮詰め、野菜をしんなりさせるのが調理ポイント」とこつを明かす金城店主。「単に野菜炒めだと、具材の一体感がなく、食べづらい。だし汁でしんなりさせると、野菜とひき肉と卵が調和します」という。
だし汁は、鶏がら、豚がら、鰹節を炊き出した沖縄料理の基本だし。でいご食堂の場合、煮干しの粉末を加えて隠し味としている。また、ひき肉は酒と塩で加熱調味した作り置きが基本。混ぜ合わせるだけとし、調理時間を短縮している。
昨今は、Web上で口コミが広がり、県外からの一見客も増えている模様だ。
◆店舗概要
「でいご食堂」 所在地=沖縄県那覇市曙1-3-7/営業時間=午前10時~翌午前0時/観光とは無縁の工場立地
◆でいご食堂「ちゃんぽん」500円 日販10~15食
◇材料
野菜(約300g・キャベツ、白菜、玉ネギ、ニンジン、ニラ、季節の葉野菜)卵(1個)合いびき肉(仕込み済み50g)調味料(沖縄だし汁、醤油、うまみ調味料、顆粒カツオだし)白飯(約350g)
◇作り方
(1)鍋にサラダ油を熱し、キャベツ、白菜、玉ネギ、ニンジンを軽く炒める。
(2)ひき肉、調味料を加えて軽くあえ、鍋に蓋をする。
(3)野菜がしんなりしてきたら、ニラを加え、とき卵をまわしかける。
(4)皿に白飯を盛り、(3)をかける。
○エバラで再現!模擬レシピ「チャンプルーの素」でやってみよう!再現レシピ19面掲載