近代メニュー革新!繁盛レシピ研究所:沖縄ちゃんぽん 三笠「ちゃんぽん」

2009.10.05 363号 20面

 “ちゃんぽん”といえば野菜たっぷりの長崎ちゃんぽんを思い浮かべるが、沖縄でちゃんぽんといえば、全く異なる飯物が出てくる。早い話、肉野菜炒めの卵とじを白飯にのせたご当地丼だ。沖縄の飯物といえば若者文化から発祥したタコライスが有名だが、地元ご用達のソウルフードとしては、実はちゃんぽんの方が古く、年配客の支持が根強い。地元客に愛され続けている沖縄ちゃんぽんの老舗を紹介する。

 ○1皿に玉ネギ1個半を使用 地元常連客の支持絶大 強烈な個性にメディア取材も過熱

 那覇市の繁華街、松山にある「三笠」は、沖縄の典型的な定食を揃えた大衆食堂。タクシー運転手や会社員、近隣住民の台所として、創業から約40年間、親しまれ続けている。24時間営業で1日の客数は400~450人。その中で「ちゃんぽん」は、日販30~40食を誇る看板料理の一角で、いまや「ちゃんぽん」目当ての観光客も増えているという。

 「三笠」の「ちゃんぽん」は、他店の一般的なちゃんぽんに比べ、かなり個性的だ。具材は玉ネギにひき肉と卵、調味ベースは醤油とカツオだし。1食に玉ネギ1個半を使ったダイナミックなボリューム感と、慣れ親しんだシンプルな和風味が、地元常連客を飽きさせないでいる(レシピ別掲)。

 「正直、いつ誰が作ったのか不明なんです」と語るのは、約20年前に前オーナーから譲り受けた、現店主の新川宣一さん。「私が引き継ぐ前から人気で、そのまま続いてます」と語り、最近ちゃんぽんの取材が増えていることを不思議がる。

 それともう一つ、個性的なアイテムがある。通称“バターライス”と呼ばれるマーガリンのトッピングだ。業務用マーガリンがカウンターに常備され、お客はそれを好きなだけヘラですくって熱々の白飯にトッピングできる無料サービスである。8kgの業務用缶が3~4日で無くなるほどの人気で、ちゃんぽんにかけるお客も少なくないという。

 「米軍の食文化に影響された習慣だと思いますが、こちらも、いつ誰が始めたのか不明。このサービスの取材も多いですね」と苦笑いする。

 ◆店舗概要

 「三笠」所在地=沖縄県那覇市松山1-3-17/那覇の繁華街・松山で一番人気の繁盛食堂。24時間営業

 ◆三笠「ちゃんぽん」500円 日販30~40食

 ◇材料

 玉ネギ(みじん1個半)合いびき肉(100g)卵(1個)ニラ(少々)醤油(大さじ1)砂糖(小さじ2カツ鰹だし(80ml)うまみ調味料(少々)ブラックペッパー(少々)白飯(300g)

 ◇作り方

 (1)鍋にサラダ油を熱し、玉ネギ、合いびき肉をよく炒め、醤油、砂糖で調味し、カツオだしを加えて煮詰める。

 (2)うまみ調味料を加え、とき卵をまわしかけ、ニラを加え、ブラックペッパーをふりかける。

 (3)皿に白飯を盛り、(2)をかける。

 ○エバラで再現!模擬レシピ「すき焼のたれ」でやってみよう!再現レシピ19面掲載

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