中華料理特集 麻婆豆腐トレンド:黒胡椒のまーぼー豆腐「胡椒饅頭KIKI」
東京の秋葉原、新橋に2店舗展開する「胡椒饅頭」では、店名にあるように、「胡椒」に注目した料理をはじめ、個性あふれる創作中華料理を得意としている。料理によって、数種類のコショウを使い分けており、「黒胡椒のまーぼー豆腐」は、黒コショウの風味を生かし、サンショウの利いた麻婆豆腐とは異なる味わいが好評である。
◆黒コショウの風味が生きる個性派麻婆 3種類の韓国産唐辛子によるコクのある自家製ラー油使用
「コショウはスパイスの王様です。コショウの歴史は2500年前の古代ギリシャ時代からあり、金と同等の価値があった時代もありました。でも現在では注目されることなく、何気なく使われています。脂肪燃焼などの効能もあるコショウのことを、もっと知ってほしい」と、ドクターペッパー(コショウ博士)を自称する「胡椒饅頭KIKI」代表の林準一氏。
この店では、コショウをフィーチャーした料理として、店名となっている「胡椒饅頭」(2個580円)、「ラムとニンニクの芽の黒胡椒炒め」(1029円)や、コショウを麺に練り込んだオリジナル麺を使った「酸辣こしょう麺」(1029円)などがある。
その中の一つ、「黒胡椒のまーぼー豆腐」は、スリランカ産の黒コショウを使って、味にインパクトを付けた人気の一品だ。
もちろん麻婆豆腐の味付けとして欠かせない唐辛子やサンショウも使っているが、特にサンショウはほんの少しだけ、風味付け程度。そのため、「サンショウと比べるとコショウの刺激はまろやかなので、『この麻婆豆腐は食べやすい』といったお客さまの声も多い」(林氏)のだという。
辛さは、3種類の韓国産唐辛子を使った自家製のラー油で調節し、激辛、中辛、ピリ辛の3段階から選ぶことができる。この自家製ラー油で、コクも出している。
ほかには、鶏がら、げんこつ、もみじ、そして野菜からとったスープと、豆板醤、辣椒醤、中国のたまり醤油である老抽王などの調味料を使っている。
そして、彩りにホールのままのグリーンペッパーとピンクペッパーをトッピングし、最後に客席で電動ミルを使って、ひきたてのブラックペッパーをかけて提供する。
「仕上げにひきたてのスリランカ産ブラックペッパーをかけるのは、複雑ではあるけれど、雑味のないさわやかな香りを楽しんでいただきたいため」(林氏)
ランチメニューでは、黒胡椒のまーぼー豆腐と、ライス、サラダ、スープ、デザートのセット(900円)もあり、男女を問わず人気がある。
◆「創作中華料理 胡椒饅頭KIKI」/店舗所在地=東京都港区新橋1-18-15 差益ビル地下1階/開業=2005年4月/営業時間=午前11時15分~午後2時半(LO2時)、5時半~10時半(LO10時)(土曜日は午後9時まで)/定休日=日祝/坪数・席数=23坪・45席/客単価=ランチ900円・ディナー3500円
◆愛用食材:コショウ
ブラックペッパーは、スリランカのM&P農場から直接、買い付けている。農場があるのは、スリランカ中部のキャンディという都市。温度差があり、湿度の高い高原地帯だ。
オーナーのパニさんによって有機栽培されたブラックペッパーは、雑味がなく、さわやかな辛さと、深みのある香りが特徴。店では月に約1.5kg使用するという。
彩りにもなるピンクペッパーとグリーンペッパーは、GABANの「ピンクペッパーホール」と「グリーンペッパーホール」を使用している。