中華料理特集 注目のユニークラーメン:たこてつ「スープたこ焼き麺入り」
「スープたこ焼き麺入り」は、簡単にいえば“たこ焼きの入ったラーメン”。いかにもたこ焼きの本場・大阪にありそうなメニューだが、実際には「たこてつ」(大阪市都島区)以外ではめったにお目にかかれない珍しい存在だ。1日限定50食を口にしようと、週末には遠方からも数多くのお客を集めている。
◆粉料理の本場大阪の珍麺 共通のスープでラーメンとたこ焼きを調和
5年前の開業当初から、「ラーメン」と「たこ焼き」を看板に展開している「たこてつ」。残った「たこ焼き」をラーメンのスープに入れて賄いにしていたところ、「それええやん、僕らにもちょうだい」とお客に言われ、店でも出すようになった。すると今度は、食べ盛りの高校生から「麺も入れて」というリクエストが加わり、開業から半年後、名物「スープたこ焼き麺入り」が誕生した。
一番の売りは、コクがあるのにくどくない、シンプルなのに深みのあるスープにある。材料は、国産鶏がらと水だけで、弱火でコトコト6~7時間煮出した濃厚ながらスープが自慢だ。「スープには植物性の材料を一切使わないと決めていた」という店主。老舗繁盛のラーメン店のスープを食べ比べた結果、「そのほうが絶対においしいという確信を持った」からだ。また、時期により味が異なる野菜も、味の均一化を妨げるため省いたという。
こだわりのスープは、たこ焼きにも活用されている。小麦粉を溶く際の水分はスープだけで、水は1滴も加えない。この“スープ使い”こそが、ラーメンとたこ焼きというそれぞれに個性的な2つの料理をケンカさせることなく調和させるポイントなのだ。しかもたこ焼きには、1日寝かすことで油が溜まるスープの上層部を使用。いろいろ試していくうちに、鶏がらから出た油を多めに入れることで、中はフワフワのまま外がパリッとした、つまりはスープに浸してもふやけにくいたこ焼きに仕上がることがわかったそうだ。
◆「たこてつ」/店舗所在地=大阪市都島区中野町3-5-13/開業=2004年/営業時間=午後6時~午前0時ごろ(たこ焼きは9時ごろまで)、水定休/坪数・席数=6坪・店内6席、屋外約12席/スタッフ=2人
●愛用食材:「国産鶏がら」 国産を条件に安定品質を安定確保
試行錯誤の末、動物性食材の中でも「鶏がらだけで作るスープがもっともイメージに近い」という結論に至った。産地や品種にこだわると、毎日、高品質で新鮮な鶏がらを確保するのが困難。そこで、国産を条件に、納得のいく鶏がらを安定的に仕入れている。