近代メニュー革新!繁盛レシピ研究所:松五郎「スタミナラーメン」

2010.03.01 369号 20面
「スタミナラーメン」(700円) レバーとカボチャ、キャベツの甘辛あんかけ

「スタミナラーメン」(700円) レバーとカボチャ、キャベツの甘辛あんかけ

「そう簡単に出せる味ではありませんが、エバラの調味料でチャレンジしてみるなら「すき焼のたれ」と「海湯ジャン」のブレンドがお薦め。あとは一味唐辛子を加えるなど、独自に工夫するとよいでしょう」と池田氏

「そう簡単に出せる味ではありませんが、エバラの調味料でチャレンジしてみるなら「すき焼のたれ」と「海湯ジャン」のブレンドがお薦め。あとは一味唐辛子を加えるなど、独自に工夫するとよいでしょう」と池田氏

 「スタミナラーメン」は、水戸市を中心に茨城県内に広がっている新ご当地ラーメン。レバー、カボチャ、キャベツをメーン具材にした甘辛いあんかけが特徴だ。誕生は昭和40年代後半。勝田駅前の「寅さんラーメン」の長井順一氏が食べ盛りの学生のために、地場素材を使って、安くて満腹になるラーメンを作り出したのが始まりだ。

 その味を正式に引き継いだ「松五郎」の池田睦氏が弟子を育て、のれん分けと同業他店の模倣が重なり勢力が拡大している。現在、スタミナラーメンを出しているラーメン店は県内に40~50軒。最近は別名“水戸ラーメン”として認識を新たにしているという。

 「好き嫌いがはっきりする味ですが、それだけに常連客が多く、週2~3回通うお客も珍しくありません」と語る池田氏は、「本当の味を広く知ってもらうため、1人でも多くの弟子を育てたい」と意気込み、スタミナラーメンの普及に努めている。

 本家「松五郎」の魅力とこだわりを紹介する。

 ◆営業の概況:18席7時間半営業で日販400~600食

 「松五郎」の基本は甘辛いスタミナあんかけ。これを醤油ラーメンにかければ「スタミナラーメン」、汁なし麺なら「スタミナ冷やし」、白飯なら「スタミナ丼」となる。注文は「スタミナラーメン」と「スタミナ冷やし」がほとんど。6対4でラーメンが強いが、夏場は冷やしが増えて比率が反転する。

 立地は水戸駅から約3kmの住宅・商業地。客層は、平日は会社員、学生の男性がほとんどだが、女性の一人客も珍しくなく、休日は家族客、観光客も混じって順番待ちも出る。

 営業実績は18席7時間半営業で日販400~600食。繁盛ぶりは推して知るべしだ。

 ◆特徴と調理:キャベツの見極めがポイント

 スタミナあんかけは、まさにスタミナの名にふさわしい内容。豚レバー、カボチャ、ニンジン、キャベツ、ニラをラードで素揚げして油を切り、一味唐辛子、自家製たれをからめて炒め、水溶き片栗粉を加えてよく混ぜ、あんかけに仕上げたものだ。

 見よう見まねで作れそうだが、これが難しい。

 池田氏は「自家製たれが味の決め手ですが、それを引き出すにはコツが必要。ポイントはキャベツ。その日仕入れた質、使う部分によって、揚げ方、からめ方、水溶き片栗粉の量、すべてが異なります。これは長期間かけて体で覚えるしかありませんね」という。

 このスタミナあんかけにマッチするのが中太のストレート麺。あんかけのボリュームに負けじとコシの強さが際立っている。

 スタミナあんかけは、まさにスタミナの名にふさわしい内容。豚レバー、カボチャ、ニンジン、キャベツ、ニラをラードで素揚げして油を切り、一味唐辛子、自家製たれをからめて炒め、水溶き片栗粉を加えてよく混ぜ、あんかけに仕上げたものだ。

 見よう見まねで作れそうだが、これが難しい。

 池田氏は「自家製たれが味の決め手ですが、それを引き出すにはコツが必要。ポイントはキャベツ。その日仕入れた質、使う部分によって、揚げ方、からめ方、水溶き片栗粉の量、すべてが異なります。これは長期間かけて体で覚えるしかありませんね」という。

 このスタミナあんかけにマッチするのが中太のストレート麺。あんかけのボリュームに負けじとコシの強さが際立っている。

 ◆発祥と展開:タカ派からハト派に変更して人気急上昇

 スタミナラーメンは昭和40年代後半、勝田駅前の「寅さんラーメン」で誕生した。店主の長井順一氏が、学生の空腹と健康を気遣い、手に入りやすく原価の安い地場素材を集めて発案したという。当時店内は学生服の黒一色となり、近所から「店内に暗幕を張っている」と評されたそうだ。

 1985年、水戸市に移転し「松五郎」と屋号変更。1997年、弟子だった現店主の池田睦氏に営業権が一括譲渡された。

 池田氏は、職人気質だったタカ派の接客をハト派に転換、また、弱いと評されていたスープの味を強めに作り替え、客層を急拡大。地域ブームに火を付けた。以降、弟子を育て、「松喜吉」「三四郎」「がむしゃ」が系列店として巣立っている。

 「松五郎」は近々、東京・池袋に直営出店を予定している。

 ◆店舗概要

 「松五郎」 所在地=茨城県水戸市上水戸3-3-25/営業時間=午前11時~午後2時半、5時~9時、月・第3火定休

 ◆エバラで再現!模擬レシピ

 「そう簡単に出せる味ではありませんが、エバラの調味料でチャレンジしてみるなら「すき焼のたれ」と「海湯〓(ハイタンシャン)」のブレンドがお薦め。あとは一味唐辛子を加えるなど、独自に工夫するとよいでしょう」と池田氏。

 ■作り方

 「すき焼のたれ」と20倍希釈した「海湯〓(タイタンシャン)」を1対2の割合でブレンドし、好みの辛さに合わせて一味唐辛子を加える。これをたれベースとし、本文中の調理方法の通り具材と合わせて「スタミナあんかけ」とする。

 ■使用食材

 ○「すき焼のたれ」 汎用力抜群の和風調味料

 醤油ベースに鰹だし・昆布だしのうまみを程よくブレンドしたすき焼のたれ。煮物の調味料としても最適。

 規格=ボトル1リットル

 ○海湯〓(ハイタンシャン) 香り重視の高級湯

 良質な豚、鶏原料とともに煮干し、鰹節、昆布を丹念に炊き出しました、香りを重視した和風タイプの高級湯。あっさりした麺料理をはじめ、湯菜に幅広く活用できる。通常約20倍希釈。

 規格=パウチ1kg

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