マクドナルド大改造 2010年433店閉店、3~5年で633店リロケーション

2010.04.05 370号 04面

 「店舗数がほとんど変わらずに6年間で売上げが34.4%伸びたのは、既存店売上げ30.6%増による。しかし、店舗の売上げ格差最大が12倍あり、一定の基準に満たない433店舗を120億円の投資で戦略的に閉鎖し、3~5年の間に633店舗をリロケーションする。やっと、負の資産を整理できる財務体質が整ってきた」と、日本マクドナルドホールディングス原田泳幸代表取締役会長兼社長兼最高経営責任者(CEO)は、6年連続の増収、4年連続の増益によって増加した資金で店舗デザイン刷新など戦略的投資を行って、さらなる成長のためのマクドナルド大改造を打ち出した。

 日本マクドナルドホールディングスはこのほど、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪で09年度決算発表を行い、09年12月期のシステムワイドセールス(全店売上げ)は過去最高の5319億2100万円(前年比2.6%増)、経常利益は上場後最高の232億5200万円(同27.5%増)、最終益128億0900万円(同3.4%増)で、6年連続増収、4年連続増益を発表した。「クォーターパウンダー」や「コーヒー1杯無料キャンペーン」などの徹底した客数重視施策が奏功して外食産業が低迷する中、増収(全店舗売上げ)増益で着地。ホールディングスの売上げは店舗のFC化を推進し、売上高3623億1200万円(同10.8%減)となった。

 2010年は銀座に1号店を出してから40周年を迎える。この間、創成期、成長期、低迷期となり、原田氏が04年にCEO就任以降は回復期、構造改革成長期と立て直しが進んでいる。

 6年間でメニュー、人材、インフラ、オペレーションなどのテコ入れで回復、成長を進めてきたが、さらにスピードを上げて改革するために投資の再開と継続を強化する。中でもフランチャイズ改革は、06年には367人のFCオーナーを09年には265人と優秀なオーナーが多店舗運営する戦略を進めた結果、1オーナーのキャッシュフローは06年比336%と増加してきた。2月9日現在店舗の54%がFCだが、近い将来の7割達成を目指す。

 一方で、店舗開発を新世代店舗としてドライブスルー、厨房、店舗デザイン(外装・内装)の新スタンダード作りに着手するにあたり、マクドナルドの方針である「キッズ&ファミリー」の新スタンダード基準を達成できない433店舗を2010年以内に閉店、3~5年間で633店舗をリロケーションしていく。

 新型店舗は、スタイリッシュに環境(地域・地球)との共生をイメージするカフェのデザインで、すでに東京・渋谷東映プラザ店がリモデル営業を行っており、近々東京都心部の13店舗を実験店として検証し、全国に広げていく。

 2010年の通期業績は店舗閉鎖を特損計上するため、売上げ予測5340億円(前年比0.4%増)、経常利益244億円(同4.9%増)、最終益58億円(同54.7%減)を見込む。

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