近代メニュー革新!繁盛レシピ研究所:ちょき「博多ちゃんぽん」

2010.09.06 376号 12面
具はキャベツ、モヤシ、ニンジン、豚肉、エビ、イカ、アサリ、カマボコ、長ネギ。ちゃんぽん麺は本場長崎とは異なりコシが強くツルツルとした食感

具はキャベツ、モヤシ、ニンジン、豚肉、エビ、イカ、アサリ、カマボコ、長ネギ。ちゃんぽん麺は本場長崎とは異なりコシが強くツルツルとした食感

 ラーメン激戦区の福岡に、1杯で“ちゃんぽん”と“ラーメン”が楽しめる新手の麺料理が現れ、にわかに話題となっている。ちゃんぽん専門店「ちょき」の「博多ちゃんぽん」がそれだ。

 本来は鶏がら100%の濃厚スープが自慢なのだが、それを引き立てるユニークな“替え玉”が人気の決め手となっている。1杯目はちゃんぽん用の太麺、替え玉には博多ラーメン用の細麺を使用。このユニークな味比べがリピーターを魅了している。

 ちゃんぽんフリークから脱サラ独立出店した須藤謙介店主は、「麺の異なる食感と、麺とスープのからみ具合の変化が、“満腹”では得られない“満足感”を引き出します」と説く。

 かたや開業1年目にして中州に2号店を出店するなど多店舗化にも意欲的。長崎ちゃんぽんならぬ博多ちゃんぽんの魅力を探った。

 ◆営業の概況:実はつけ麺が有名?!8割が替え玉を注文

 ちょきの立地は、地下鉄・七隈線の六本松駅から歩いてすぐの住宅・商店街。ちゃんぽん専門店という店柄、客層は若者が中心で男性客が65%。7.9坪、12席で1日客数は100~120人。博多ちゃんぽんの日販は60~70食。その約8割がラーメンの替え玉を注文するという。

 開業当初、テレビ番組で「つけ麺がおいしい」と紹介され、ほかのメディアも追随したため、つけ麺を目当てに来店する一見客も多いそうだ。

 ◆特徴と調理:麺量少なめで味比べ やみつきになるギャップ

 博多ちゃんぽんの自慢は、鶏がら100%の濃厚スープ。14時間炊いた白湯に、ホタテ、昆布、アサリなどの海鮮エキスを加え、塩だれで調味したもので、これを長崎ちゃんぽん同様、具材を炒めている鍋に加え、ちゃんぽん麺と合わせる。

 そして、この白湯をベースに、1杯目はちゃんぽんの太麺、替え玉には博多ラーメンの細麺を提供する。1杯で2つの味を楽しませる麺の量はいずれも生100g。女性の替え玉注文も珍しくない。

 須藤店主は「スープがからみにくい太麺の味になれたあと、よくからむ細麺を入れると、スープの味が劇的に変化します」と明かし、「そのギャップがまた食べたくなるクセになるのでは」と人気要因を説く。

 ◆発祥と展開:ちゃんぽんフリークから脱サラ出店 多店舗化視野に早くも2号店

 開業は昨年11月。ちゃんぽんフリークだった浦田氏が、かねて抱いていた不満をヒントに博多ちゃんぽんを創作し、脱サラで独立出店した。

 須藤店主は「ちゃんぽんに替え玉がないのはおかしい。麺を選べないのは不親切。この潜在的な悩みは多いだろうと一念発起しました」と経緯を語る。

 厨房経験は皆無だったが、旧知の先輩にあたるラーメンチェーン経営者から指導を受けたことで、順調にスタート。4月には早くも2号店の中州店をオープン。多店舗化を視野に助走を早めている。

 ◆店舗情報

 「ちょき」 所在地=福岡市中央区六本松2-2-13/営業時間=平日・午前11時半~翌午前1時(日・祝は0時)、不定休

 ◆エバラで再現!模擬レシピ

 使用食材:「ちゃんぽんスープ」 シーフードや魚介練り製品にマッチ

 豚がらのコクに香味野菜の甘みとうまみを利かせ、ブラックペッパーで味を引きしめた、ちゃんぽんスープの素。シーフードや魚介を使った練り製品との相性がよく、ちゃんぽんや皿うどんに、各種炒め物の調味料にと、幅広く活用できる。使用方法は、本品40ml(45g)に対し、お湯またはがらスープ300~360mlで希釈。1本で約25人前。

 規格=ボトル1リットル

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