メニュートレンド:大阪で話題のキムラ君ピザ 「バル マスタード」

2011.12.05 393号 02面
ピザ生地の上でマヨネーズ、チーズ、豚味噌、キムチ、ラー油がケンカすることなくまとまっている。そのバランス役を果たしている自家製の豚味噌には玉ネギやニンジン、ショウガ、ニンニクなどが入っている

ピザ生地の上でマヨネーズ、チーズ、豚味噌、キムチ、ラー油がケンカすることなくまとまっている。そのバランス役を果たしている自家製の豚味噌には玉ネギやニンジン、ショウガ、ニンニクなどが入っている

ナチュラル感を基調とした清潔な店内

ナチュラル感を基調とした清潔な店内

 ミナミを代表する繁華街・東心斎橋に2006年にオープンした「バル マスタード」は、この12月で5周年を迎える。約80アイテムが揃うワインやよりすぐりの焼酎に加え、レベルの高い創作料理が評判の同店。なかでも今年の夏に誕生した「キムラ君ピザ」は、ユニークなネーミングとやみつきになる個性的な味があいまって、話題を集めている。果たして「キムラ君」の正体とは……

 ●正体は「キムチ」+「ラー油」

 マスタードの店名は、「お客さまのいろんな時間にピリッと小気味よいアクセントを添える店」というコンセプトにちなんだもの。料理においても他店にはないオリジナリティーにこだわっており、どの一品にもありきたりでない刺激が効いている。

 キムラ君ピザは、そんなマスタードらしさがよく表れた一品である。マヨネーズを塗ったピザ生地に、豚味噌、キムチ、チーズをのせて焼き上げ、仕上げに食べるラー油をトッピング……。キムチとラー油でキムラ君というわけだ。

 実はこのキムラ君、大阪市のあるうどん店が地域活性化を目的に始めた企画で、うどん、そば、ラーメン、丼などさまざまな料理に広がっている。しかし、ピザのキムラ君を登場させたのはマスタードが初めて。テレビや雑誌に取り上げられる機会も多く、認知度の向上につながっている。

 店主の近藤善宣さんによると、「いくらおいしくても、イタリアンの店でこうした型破りなピザは出しにくい。だからこそ、うちのオリジナルメニューになり得る」と考えたのが、ピザに目をつけた理由だそうだ。

 キムチとラー油から連想する味は「ピリ辛」だが、キムラ君ピザを口に入れてまず広がるのは「コク」と「甘味」で、そのあとに程よい辛さが続く。このコクと甘味はキムラ君ピザ専用に手づくりしている自家製の豚味噌によるもので、「各具材の強い個性をバランスよくまとめる上でも重要な役割を果たしている」という。

 また、キムチにはシャキシャキ感が残る白菜を絞って使用。薄めのピザ生地をしっかりめに焼いた香ばしさとカリカリ感も絶妙だ。

 マスタードにはもうひとつ、「さきいかの肴ピザ」(900円)というこれまたユニークなピザメニューがある。こちらは、ピザソースを塗ったピザ生地にさきいか、マヨネーズ、チーズをのせて焼き上げ、最後に七味唐辛子をかけるもので、焼酎派に特に人気があるとのことだ。

 「今後もオリジナリティーにこだわった料理と酒のセレクトで、お客さまを刺激し続けたい」と近藤さん。5周年を機に次の展開も描き始めているようだ。

 ●店舗情報

 「バル マスタード」 所在地=大阪府大阪市中央区東心斎橋1-15-25 リッツビル2F/開業=2006年12月/営業時間=午後6時~翌午前1時、日定休/坪数・席数=8坪・14席/1日来店客数=約20人/スタッフ=2人

 ●愛用資材・食材:「ぶっかけ! おかずラー油 チョイ辛」 エスビー食品(東京都中央区)

 バランスのとれたコク・香り・食感

 ピザにつきもののタバスコではなく、食べるラー油を最後にトッピングする「キムラ君ピザ」。その食べるラー油に選ばれているのが、「ぶっかけ! おかずラー油 チョイ辛」である。主張しすぎない辛さと、自家製の豚味噌とも相性のよい豊かなコク・香り・食感が決め手となった。

 規格=110g

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