お客に言えない業務用調味料マル秘ブレンドテクニック:カレーフレーク
●複合的機能を持つ調味料 用途広がるフレーク状
カレーフレークは、カレー風味があり、うま味、コク、塩味などの味が付き、粘度を付加できるなど複合的機能を持つ調味料として捉えることもできる。フレークは使用量が柔軟に調整でき、溶解も早く、面倒な下処理も必要ない。和・洋・中を問わず、スープやつゆ、ソース類に加えるだけで、鍋や麺料理、肉料理のソースなどが作れる。また、水分の少なさを利用して、詰め物や春巻きなどのあんに使うのも一法。味の濃さや粘度を生かしてパン料理に使うことも可。
◆この調味料とまぜてみよう!
●寄せ鍋つゆ
寄せ鍋つゆに対しては12~15%前後のカレーフレークを加える。全体の味は寄せ鍋つゆの濃度で調整する。カレー鍋として好適なブレンドで、好みでカレーパウダーやガラムマサラなどを加えるとよりスパイシーになる。
●そばつゆ
かけつゆの濃さのつゆに10%程度ブレンドすると、そのまま麺類のカレーフレークとして使える。また、やや濃いめのかけつゆに15%程度のフレークをまぜると、とろりとしたカレーあんになり、揚げ物料理に向くたれになる。
●マヨネーズ
カレーフレークを牛乳でやや濃いめの粘度に仕立て、常温にしたのち、マヨネーズとまぜる。コクのある味わいのソースになり、ポテト料理や、ゆで野菜のディップ用ソース、パン料理用スプレッドとしてもさまざまに使える。
●スイートチリソース
仕立てカレーフレークのソースをまぜる。冷、温ともに使えるソースで、肉料理、とくに鶏肉や豚肉のあぶり肉には絶妙にマッチングする。
◆料理事例
「あつもり・カレーそば」
やや濃いめにしたかけつゆに15%ほどのカレーフレークをまぜ、熱い状態で提供。隠し味として、沖縄のコーレーグースを加えて辛味を強調。ひんやりとしたそばに熱々のカレーつゆが絶妙にマッチした夏向きメニュー。
●プロフィル
押野見喜八郎(おしのみ・きはちろう) FSプランニング代表。1946年千葉県生まれ。東京ヒルトンホテルを経て外食マーチャンダイザーに転身。多数の外食専門校で活躍するほか、外食企業の商品開発、食品企業の業務用食材開発を手掛けるなど、わが国のメニュー政策指導の第一人者として知られる。「外食新メニュー実用百科」(日本食糧新聞社)など著書多数。