近代メニュー革新!繁盛レシピ研究所:居酒屋 やから「冷しトマトのネギ塩だれ」
「塩だれ」といえば、真っ先に思い浮かぶのが“焼肉”や“炒め物”だが、素材の持ち味や彩りを生かせる塩独特の演出効果を考えると、それだけではもったいない。そこで提案したいのが生野菜への活用だ。仙台市の「居酒屋 やから」は、焼鳥用の塩だれを流用して「冷しトマトのネギ塩だれ」を提供。ヘルシー志向の女性客から好評を得ている。肉料理とサラダで塩だれの活用を両立させた成功事例を紹介する。
●調理概要:フレッシュ感が肝心 ネギ塩だけでもつまみに
自慢の塩だれは、独自配合した塩だれと長ネギ(みじん)を混ぜ合わせ、ねぎ油を加えて香りを立たせたもの。店では“ネギ塩”と名付けられ「冷しトマトのネギ塩だれ」と「鶏ももネギ塩」のトッピング調味料に使われている。調理ポイントは、長ねぎの食感とねぎ油の香りを生かすため、必ず注文が入ってから塩だれ、長ねぎ、ねぎ油を混ぜること。この鮮度感が「ネギ塩だけでもつまみになる」という味の決め手となっている。
●発祥と展開:甘味演出には塩味が一番 飯店と焼鳥店の経験を生かす
開業時「塩味はヘルシーイメージが強く女性客から好評」(高橋礼仁料理長)として、主力の焼鳥で「塩焼き」と「ネギ塩」の2種類を打ち出し、直後に「冷しトマトのネギ塩だれ」を追加した。
高橋料理長は「野菜はすべて市場に足を運んで仕入れています。中でも生食で提供するトマトは、甘味にこだわって厳選してます」と語り、「トマトの甘味を生かすには塩味が一番。でも塩だけだと芸がないので、食感も見栄えも演出できるネギ塩を活用しました」と説く。
高橋料理長は、ホテルの中国料理店で修業後、焼鳥店を経て現職に就いた。「その調理技術と接客経験が女性にウケるネギ塩を生み出した」(寺川茂徳店長)と言う。
●営業の概況:予約で毎日半分が埋まる 開業2年目で名物料理に
店舗立地はJR仙台駅から徒歩5分。昨年4月に開業した45席の居酒屋。地場素材と手作りを自慢に定番から創作まで幅広い料理を提供。「ほぼ毎日、予約宴会で半分が埋まる」(寺川店長)という人気ぶりで、近隣の会社員から厚い支持を得ている。「冷しトマトのネギ塩だれ」と「鶏ももネギ塩」は、単品メニューのほか宴会料理にも欠かせない人気アイテム。開業2年目で名物料理に台頭している。
●店舗情報
「居酒屋 やから」 所在地=宮城県仙台市若林区新寺1-1-12
営業時間=午前11時半~午後2時、5時~翌午前0時、日曜定休
◆エバラで再現!模擬レシピ 「e-Basic塩だれ」でやってみよう!
「e-Basic塩だれ」と長ねぎ(みじん)を混ぜ合わせ、冷しトマトにかける。
○使用食材:「e-Basic塩だれ」 炒め物調味の即戦力
チキンの旨味にブラックペッパー、ホワイトペッパーを程よく効かせ、ごま油でマイルドに仕上げたベーシックな塩だれ。からめ焼きの場合、材料に対し20~25%の使用が標準。
規格=2040g(常温)