ホテル朝食の進化形、ガストロノミー・ツーリズムに先駆ける! サケ塩焼きなど和食メニューが人気

2017.01.02 455号 22面
魚料理が人気トップ。朝食ビュッフェのビジター料金は2,660円(税込み)

魚料理が人気トップ。朝食ビュッフェのビジター料金は2,660円(税込み)

井田仲弘総料理長

井田仲弘総料理長

 ●ガストロノミー・ツーリズムを啓発 訪日客が約6割

 東京・池袋の「ホテルメトロポリタン」は、1985年の開業以来、インバウンド集客に先駆けてきたインターナショナルホテル。JR東日本ホテルズ(45軒)のフラッグシップホテルでもあることから、日本の食文化をアピールすべく、朝食の充実化を図ってきた。

 朝食の主力はビュッフェ。料理品数はパンや飲料を合わせて約70品。和・洋・中の専門料理人が各分野を担当して、朝食といえども本格的な料理を提供している。とりわけJR東日本系列の情報網・調達力を生かした地域産品の活用に積極的で、今後のインバウンド集客で有力視されるガストロノミー・ツーリズム(美食と観光)の啓発に向け、先べんの役割を模索している。

 朝食の人気は欧米系とアジア系の客層で二分される。欧米系はパン、卵料理、ハム・ソーセージ類を組み合わせたアメリカン・ブレックファスト。アジア系は白飯主体の和食。この傾向は開業以来不動だが、最近はアジア系で焼き魚やアジ南蛮漬けなど魚料理の人気が顕著だという。

 人気の理由について、井田仲弘総料理長は「典型的な和食、素材のまま、食べやすいという、料理の分かりやすさが支持されるのでは」と推測している。

 ●ホテル朝食の今後は?

 井田仲弘総料理長「さらに安心安全が問われる時代に」

 政府が目標に掲げる2020年・訪日客数4000万人は現状の約倍。今後、ホテルが不足する半面、安価優先のリピーター客が増加し、民泊需要が増えるでしょう。そうなるとホテルと民泊の比較・評価が本格化します。ホテルはこれまで以上に品質と安心安全をアピールする必要があり、ピクトグラム(絵文字)なども用いて、多宗教・多言語・アレルギーにも配慮した、朝食のグレードアップは不可欠といえるでしょう。

 ●店舗情報

 「ホテルメトロポリタン」

 所在地=東京都豊島区西池袋1-6-1/客室=807室/収容=2,162人/稼働率=85~90%/訪日客比率=約6割/朝食利用者数=500~600人

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