惣菜弁当研究所:ローカル名物紀行 素揚げを突き詰め半世紀 青森県民生活協同組合

2020.01.06 491号 08面
地元の琴線に響く奥深い塩味 この色と艶が青森県民にはたまらない!

地元の琴線に響く奥深い塩味 この色と艶が青森県民にはたまらない!

「コープ特製国産鶏手羽先揚げ」税別き168円/100g

「コープ特製国産鶏手羽先揚げ」税別き168円/100g

4種の醤油を配合した自慢の漬けダレ

4種の醤油を配合した自慢の漬けダレ

各店に手羽先揚げ専用フライヤーを1台設置

各店に手羽先揚げ専用フライヤーを1台設置

(左)手羽先揚げは惣菜売場のベストポジションに陳列、(右)青森県民生活協同組合

(左)手羽先揚げは惣菜売場のベストポジションに陳列、(右)青森県民生活協同組合

「まごころ弁当」

「まごころ弁当」

店内手焼きの玉子焼きが要

店内手焼きの玉子焼きが要

 ◆汎用性と相乗効果が人気の決め手

 手羽先の唐揚げは、片栗粉か唐揚げ粉をまぶすのが普通だが、粉をまぶさない「素揚げの手羽先揚げ」は珍しい。それを1970年から看板商品に掲げているのが 「青森県民生活協同組合」の「コープ特製 国産鶏手羽先揚げ」だ。かぶりついて食べる以外に、おでんや煮物の具材にするなど、購入者の使い方はさまざま。青森の郷土料理ではなくとも、もはや青森県民に欠かせないソウルフードだ。

 ●商品発祥:奥深い塩味を感じ取る

 1958年の創業から間もなく、パート従業員が手羽先揚げを作っており、それなりに売れていた。70年、当時の惣菜チーフが秋田の某店で手羽先の素揚げを食べ、「自店の手羽先揚げも素揚げにしよう」と決意。以来、原料・揚げ方・漬けダレの改良を重ね続け、90年ごろ現在の形に行き着いた。

 県外の人が食べるとしょっぱく感じるが、地元客は漬けダレ(塩味)の奥深さを感じ取れるという。

 ●調理概要:漬けダレを潔く廃棄

 手羽先はサイズと食感に優れる国産鶏(主にチルド)で、生1本・約55g。「地元客の琴線に響く」と自負する漬けダレは、4種類の醤油をベースに香辛料を配合したもの。その漬けダレに手羽先を5~10分漬けた後、手羽先揚げ専用フライヤーで約5分揚げる。

 手羽先を漬けダレに漬けると、手羽先の水分が染み出て、漬けダレが徐々に薄くなってしまう。そのため、漬けダレに漬ける時間は、2回目から段階的に長くし、5回目の使用後に漬けダレを廃棄。この潔さが濃い口を均一化する決め手だ。

 ●販売実績:5サイズ提供が人気の証し

 基本価格は168円/100g。特大・約1000円、大・約500円、中・約400円、小・約300円、ミニ・約200円の5サイズで販売。あくまでも推計だが、主要12店の合計で年商1億円は堅いと見られる。

 特売時は138円/100gで3~4倍、新店や改装などの特別時は99円/100gで7~8倍の販売を見込んでいる。

 ●ポイント:互いの持ち味を一層豊かに

 長年に渡り親しまれている理由は、単品そのもののおいしさに加え、他の料理に使える汎用性だ。おでんや煮物の具材として活用すると、具材やだしに手羽先の風味が加味され、逆に手羽先はだしの風味を吸収。互いの持ち味を一層豊かにする相乗効果が得られる。それが地域に根付いた要因であり、片栗粉をまぶした手羽先では得られない効果だという。

 ◆「まごころ弁当」 店内手焼きの玉子焼きが要

 黄身と白身が絶妙に分離した手作り感が自慢

 「まごころ弁当」 税抜き398円/約400g 税抜き498円/約450g

 おかずのみ 税抜き350円

 販売実績:年販・約40万食(7品・12店合計)

 手羽先揚げに次ぐ名物弁当。有名専門店で研修を受け、店内で手焼きを始めた「だし巻き玉子」が自慢。2014年4月から販売開始。18年は紅サケとサバ塩麹漬けの2種類で24万食(12店合計)を販売。17年11月からおかずを増やした498円、おかずのみの350円商品を追加。7アイテムで40万食を突破した。

 ●店舗情報

 青森県民生活協同組合

 本部所在地:青森県青森市浜館3-7-7

 販売実績:推計年商約1億円(12店合計)