数字で読み解くフードサービストレンド:居酒屋で一人客比率が増加
コロナ禍から回復に向かっている外食業態ですが、居酒屋はまだ厳しい状況に置かれています。エヌピーディー・ジャパンが提供する外食・中食市場情報サービス「CREST」によると、2022年計の居酒屋+バーの市場規模は9253億円で前年比74.3%増と、大幅な増加となりました。しかし、19年比では51.5%減で、コロナ前から半減したままでした。
居酒屋・バーで客数比率が増加したセグメントを見ると、1人での利用が7.0ポイント増と最も比率増加しました。休日、2人、16~30分以内、17時台の利用、住宅街の利用比率が増加しており、コロナ禍の影響で利用シーンが少人数、短時間、自宅の近くに変化したことがわかります。5人以上や2時間以上は減少しています。
一方で、1人当たりの客単価が5000~9999円の層が増えていることから、高価格帯が増加していることがわかります。店舗の選択理由は、立地や価格の安さが減少し、食べ物のおいしさ、いつも行くから、といった理由が増加しています。
平常の生活に戻ってきている23年も、居酒屋は引き続き以前の規模に戻るのは難しいでしょう。コロナ禍で変化した生活は、すべてが元に戻らないと考えるべきです。大人数の価格重視の宴会などは、今後も以前のレベルには戻らないでしょう。少人数向けに、多少高くてもおいしいものを提供し、固定ファンを増やすことが、今後の居酒屋の生き残りのカギとなりそうです。
(エヌピーディー・ジャパン 東さやか)