2023年5月度、外食動向調査 フードコンサルティング

2023.08.07 534号 05面

 ●18ヵ月連続前年比増収で回復定着

 日本フードサービス協会が発表した外食産業市場動向調査によると、2023年5月度売上げは前年同月比111.8%となり、18ヵ月連続の増加を記録。客数は前年同月比103.7%、客単価も107.8%であった。

 4年ぶりのゴールデンウイークを迎え、各地で活発な人の動きが見られたことに加えて、中国本土を除くインバウンド客の本格的な回復が始まり、全国主要都市のレストランや商業施設では、日本人以上にインバウンド客の存在が目立っていた。

 表の通り、大手外食チェーンは、客足の回復に、昨年から断続的に続いている値上げ効果も加わり、軒並み好調となっている。「スシロー(89.0%)」は12ヵ月連続で前年を下回り、年間平均も88.1%となり、外食業界一人負け状態が続いている。

 また、経営再建中のJFLAホールディングスが月次指標の開示をやめたほか、セブン&アイ・フードサービスも、3月以降は月次の開示が出ていない。

 ●注目の新業態4店舗

 コロナ禍の落ち着きとともに、各地で新業態レストランが続々とオープンしている。今回は、盛り上がりを見せるメキシカンとジビエ料理。これにWebオーダーレストランによる初の実店舗(カレー)と、今まさにブームの「かき氷」を取り上げたい。

 (1)モダンメキシカンレストラン&バーA9(エーナイン)

 ▽5月23日オープン▽メキシコ料理特有のスパイスを生かした、メキシコ由来のシグニチャータコス5種を中心とした独創的なメキシコ料理を楽しめる▽再び盛り上がりつつあるメキシカンの注目店▽東京都渋谷区恵比寿西1-12-11、Biosビル1階

 (2)THREE WAVE(スリーウェイブ)山のジビエと海のジビエのお店

 ▽7月3日オープン▽徳島県で処分される害獣(ジビエ)、未利用魚(アイゴ)を利用することでカーボンオフセットに取り組む先進的な取り組み。メニューはイノシシバーガー、鹿メンチバーガー、アイゴのサンドイッチなどカフェスタイル▽年々増え続けるジビエの有効活用と、食材価格高騰に対する代替手段、これにカーボンオフセットの取り組みも加わり、外食業界における無理のないSDGs対応の事例として注目したい▽大阪府門真市新橋町318-1、京阪本線門真市駅高架下

 (3)TOKYO MIX CURRY

 ▽6月14日オープン▽もともと、専用のアプリから「自分の好きなカレー」をカスタマイズで注文し、待ち時間なく受け取る日本初の「アプリでしか買えないカレー」を提供していたテイクアウト業態が初のレストラン出店▽小麦粉不使用のトマトと玉ネギをベースにしたカレーで、「トマトチキンカレー」「キーマカレー」「黒毛和牛の塊肉ビーフカレー」など▽東京都千代田区丸の内2-7-2、KITTE丸の内

 (4)紅茶美人+Tea Beauty Plus

 ▽6月1日オープン▽香り高い紅茶を使った本格的な「紅茶のかき氷専門店」▽こだわりの紅茶をぜいたくに使用し、「紅茶のエスプーマ」を中心に濃厚な味わいと爽やかな香りを提供▽大阪府大阪市北区中崎西2-4-36 2階

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら