数字で読み解くフードサービストレンド:まだCS? 顧客ロイヤルティーを測る指標「NPS」

2023.09.04 535号 10面

 ●NPSは顧客ロイヤルティーを測る成長と相関の高い指標

 アフターコロナで消費者の行動は、かなり活動的になり、コロナ前と変わらないほどの活況が見られるシーンが多くなっています。一方で、値上げの影響で節約志向が高まる中、今後、飲食店が注力すべきポイントの一つは、体験や経験、価値の提供です。人口減少や少子高齢化もあり、必然的に外食する消費者は減少していく中、店舗の体験価値を高め、リピーターやファンを獲得することが、参入・撤退の厳しい飲食業界で生き残るために非常に重要となります。

 自社の顧客ロイヤルティーを測る指標として、近年注目を浴びているのが、NPS(ネット・プロモーター・スコア)です。従来の飲食店で指標にすることの多かったCS(顧客満足度)とは異なり、将来の事業の成長性と高い相関があるといわれています。

 エヌピーディー・ジャパンが提供する外食・中食市場情報サービス「CREST」では、2023年1月からNPSの調査を開始、業態ごとのベンチマーク値のほか、主要チェーンの値を測定できるようになりました。飲食店全体のNPSは、「小規模チェーン/個店」で-29.2、「大規模チェーン」で-19.9でした。

 今後、アンケートや調査で自社のスコアを取得する場合、このようなベンチマークとなる基準値と比べることで、目標設定ができるようになります。将来の業界の成長見込みと共に、自社の成長見込みを測り、目標設定していくことは、今後さらに重要となるでしょう。

 (エヌピーディー・ジャパン 東さやか)

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