山本純子のスゴイぜ!業務用冷凍食品(48)三島食品「スライス人参シリーズ(もみじ)」

2023.09.04 535号 17面
※料理写真はイメージ

※料理写真はイメージ

 ●春はうめ、バレンタインはハート、夏&X’masはほし、秋はもみじ

 三島食品といえば、しそご飯用ふりかけの「ゆかり」。1970年発売ですので、50年を超えるオンリーワン人気商品です。赤しそがあるなら青じそもと姉妹品「かおり」が発売されたのが84年。そして、ピリ辛たらこの「あかり」で三姉妹。さらにカリカリ梅の「うめこ」が生まれ、地元の広島菜で「ひろし」が初の男子で登場した頃には、SNSがザワザワしました。まだまだ姉弟は増えているようです。

 「ゆかり」を内ポケットに忍ばせて、白いご飯が出てきたらおもむろに取り出し、ササッとかける「ゆかり ペンスタイル」が登場した時には、のけぞりましたね。なんという開発魂と自社製品愛!

 本コラム第10回(冷凍ふりかけ)でも紹介しましたが、その愛は今や世界に発信されていて、「FURIKAKE」はグローバルな調味料に育っているのです。

 さて、そんな柔軟かつ大胆な発想を持つ三島食品。冷凍食品への取り組みもユニークです。冷凍ふりかけの発売以前、2003年に開発した冷凍食品が、今回ご紹介する「スライス人参シリーズ」。発売20周年の商品ですが、今も人気商品として販売が右肩上がりというスゴイ商品です。

 開発のきっかけは、スーパーの惣菜部門担当からの「季節感が演出できる何か良いものはない?」という質問でした。同社業務用混ぜご飯の素は、手軽においしい味付きご飯が提供できる良い商品ですが、いつも同じではインパクトが弱くなりがち。プラスチックのバランをカットしたものをちらし寿司などにトッピングしても、食べるときには外してしまう。どうせのせるのなら食べられるもので、きれいな色合いのものをと考え、ニンジンの型抜き商品にたどり着きます。

 バラ凍結なので1枚から使えて無駄がない。しかも厚さ2mmと薄く、メニューの味をじゃましない。18年には中国からタイへ生産工場を切り替えて、それを機に自然解凍OKにリニューアルすると、ますます使い勝手がよく、人気が出ました。

 惣菜に外食に給食に、そして刺身パックのツマの上にトッピングなど、アイデアはどんどん広がっています。

 割れ、欠けのリスクを想定して100枚以上パックしていて、90枚以上の保証をしている点もあっぱれです。

 ●ここがスゴイ=自然解凍OK♪2mmの厚さで軟らかい

 ●商品概要

 三島食品「スライス人参シリーズ(もみじ)」

 規格=100g×20袋(90枚以上/袋)

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