メニュートレンド:600gの巨大角煮 閉店間際まで行列ができる店

2023.11.06 537号 01面
角煮定食 1,750円(税込み) 醤油ベースのあんをかけ、表面をつぅるんと仕上げる。「角煮定食」にはライス、スープ、香の物が付く

角煮定食 1,750円(税込み) 醤油ベースのあんをかけ、表面をつぅるんと仕上げる。「角煮定食」にはライス、スープ、香の物が付く

肉は「温かい」ではなく「熱い」状態で提供できるようにスタンバイさせておく

肉は「温かい」ではなく「熱い」状態で提供できるようにスタンバイさせておく

1人前600gでこの大きさ

1人前600gでこの大きさ

箸でスーッと切れる軟らかさ

箸でスーッと切れる軟らかさ

【愛用食材・資材】「オイスターソース」 輸入元=大栄貿易公司(東京都千代田区)

【愛用食材・資材】「オイスターソース」 輸入元=大栄貿易公司(東京都千代田区)

 豚ばら肉を脂身がトロトロになるまで煮込み、甘じょっぱく味付けた角煮は白飯との相性が抜群。定食にはもってこいのメニューといえる。豚ばら肉は大きめにカットするのが一般的だが、“大きめ”どころではなく、1人前600gの角煮を提供しているのが「四つ角飯店」の「角煮定食」だ。

 「四つ角飯店」は昭和2年創業、96年の歴史を有する。現在の高橋淳店主は祖母、父親、母親・兄に続く4代目。ビッグサイズの角煮は、今から約30年前、2代目店主の父親のアイデアだ。「インパクトのあるメニューを作ろうということになって、当時はまだ珍しかったデカ盛りに着目しました。何をデカ盛りにするかで試行錯誤して、角煮に決まったというわけです」。

 当初は300~350gと今の半分くらいのサイズ。それが約3年前のコロナ禍のときに「店も世の中もパッと盛り上がるメニューにしようと、ド~ンと600gにしました」。

 精肉店と交渉して豚肉のゲタ側1枚を4つにカットしたもの(1ブロック=600g)を仕入れ、スープで約8時間、アクや余分な脂を丁寧に取りながら炊く。スープは鶏、豚など動物系のだしは控えめにし、鰹節、鯖節、煮干し、昆布など和だしを多めにして脂っぽくならないように工夫。水ではなくスープで炊くことで、スープのうま味が肉に染み込む。

 醤油、砂糖、オイスターソース、八角を加えて、さらに1時間加熱。最後に、金串がスーッと入るかを1個ずつ全部チェックする。ほぼ2日がかりの時間と最後まで手を抜かない丁寧な仕事で「箸で切れるほど軟らかい角煮」が完成。

 見た目のインパクトだけなら、1回の来店で済む。最後の一口まで食べ飽きないおいしさがあるからこそ、「また食べたい」と再来店につながるのだろう。

 昨今の原材料費の値上がりが飲食店を直撃しているが、「経営が苦しくなって廃業しては、『また食べたい』というお客さまのご要望に応えることができません。それで今回、思い切って値上げに踏み切りました」と高橋店主。それでも、パワーのあるメニューを提供している店は行列が絶えない。

 ●店舗情報

 「四つ角飯店」

 所在地=東京都立川市曙町1-16-5 杉田ビル1階/開業=1927年/坪数・席数=16坪・30席/営業時間=11時30分~20時30分(行列次第で閉店時間が早まることも)。無休/平均客単価=1000~1500円/1日平均集客数=200人

 ●愛用食材・資材

 「オイスターソース」 輸入元=大栄貿易公司(東京都千代田区)

 味付けに深みをプラス

 カキが持つ自然のうま味成分をたっぷり含み、料理を深みのある風味に仕上げる。瓶タイプなので開栓後の保存がしやすい。「角煮は最後の一口までおいしく召し上がっていただくために優しい味に仕上げていますが、同品を加えることでコクが増します」と高橋店主。

 規格=750g

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら