海外通信 外食ビジネスの新発想(75)アメリカに根付いたもちアイスクリーム
「売れ筋8種コレクション」(32個入り96$)現在のフレーバーは、バニラチップ、ケーキバター、抹茶、チョコレート、紫イモ、マンゴー、塩キャラメル、ストロベリー。贈答として贈る場合も多い/mochido
バレンタイン・コレクションに特別に付けたプロモーション。もちアイスクリームを土台にしてアーチスティックにデコレーションした。店では「シグナチャーもちクリエーション」として1個5$50¢、4個入りボックス20$で提供している
●バラエティー豊富 プチ贅沢なひととき
アメリカ人の大好きなもちアイスクリーム。1981年発売の「雪見だいふく」が元祖であると思いきや、カリフォルニア在住の日系2世が独自に10年かけて開発したアメリカ版がアメリカでの元祖とされている。93年に「ミカワヤ」は、10年を費やして完成したもちアイスクリームを新発売。アメリカ人にとって新鮮な食体験のくにゅくにゅしたもちの食感とアイスクリームとの絶妙なハーモニーがアメリカ人の心をとらえた。やがて「マイモーモチアイスクリーム(My/Mo Mochi Ice Cream)」ブランドで、ホールフーズ、クローガー、セーフウェイなどスーパーマーケットチェーン店にも卸すようになる。
さて、この成長し続けるもちアイスクリーム市場に参入したメーカーの一つがニューヨーク発祥の「モチドキ」だ。2015年、食産業向けの卸売専門店として立ち上げられた。「ノブ」や「ブルーリボン」などのハイエンドのレストランが顧客で、今では、全米300以上の小売店やスーパーにも卸している。一般消費者に向けてオンラインで直売もしておりドライアイスを詰めた断熱クーラーで出荷している。また、ニューヨークのソーホーとアッパーイーストサイド、そしてカリフォルニアのサンタモニカに直営店もオープン。どの店もクリーンで明るいインテリアで、もちアイスクリームの食体験ができる。もちろん、地元の人々は店にデリバリーも頼める。
さて、人気フレーバーは、バニラチップ、抹茶、チョコレート、ストロベリー、紫イモ、マンゴー、塩キャラメル、ケーキバターなど。ほかにも、エスプレッソ、ライチ、ココナツなどもメニューに載せ、十数種類を提供している。定番のほかに季節限定も用意し、現在の季節限定アイテムは、キャロットケーキとハバネーロ・チョコレートだ。ヴィーガン(ライチ-、マンゴー、ココナツ)の選択もでき、多くの嗜好に応えることができる。日本の良質の抹茶、イタリア・ピエモンテ産のヘーゼルナッツ、チューリッヒ産のセミスイートチョコレートなど、最高級の素材のみを使用し、品質と味を保証している。
見た目も麗しく、おしゃれ。プチ贅沢に当たるユニークな食体験には、消費者の財布のひもも緩みがちだ。フレーバーも無限にでき、冷凍だから賞味期限も長く、扱う商品としても理想的だ。