香油青葱ニラ蕎麦　950円（税込み）

一面のグリーンの下から麺が出現　ニラは1杯につき約1.5束使用する。ネギは九条ネギを使用

豚ロースを低温調理した自家製チャーシューを忍び込ませている

高温に熱した油を仕上げにかける。「このジュッという音がいいですよね。ニラとネギの香りが立ちます」

店の隣が製麺所になっている。麺は1人前160g

【愛用食材・資材】「ヤマヤナギ醤油　木桶仕込／木桶醇造り」塩味醤油醸造（埼玉県朝霞市）

　ラーメン、中華そばを提供している店は多い。高級中華料理店から町中華、あるいはこだわりのラーメン専門店などが競い合っている中で、オリジナリティーのある一杯を生み出すのは容易なことではない。ラーメン単体にこだわらず、プラスのアレンジでオリジナリティーあふれる一杯を提供しているのが「中華蕎麦　瑞山」の「香油青葱ニラ蕎麦」だ。

　●限定メニューからレギュラーに昇格

　世の中、おいしいラーメンがあふれている。「『うちのラーメンはコレだ！』というラーメン単体で勝負する自信がなかったんですね。だから限定ラーメンでいろいろ目先を変えて提供しているんです」と初谷智久オーナー。とはいうものの、実は初谷オーナーは高級中華料理店で腕を磨いた実績があり、これまでに「韮黄肉絲湯麺」「フカヒレの姿煮中華蕎麦」「湯葉と渡り蟹のかき玉蕎麦」など、料理人としての技とアイデアを奮った数々の限定メニューを考案。その中でも評判がよく、限定からレギュラーに昇格することになったのが「香油青葱ニラ蕎麦」だ。

　同メニューの独創性は、丼一面をグリーンで覆ったビジュアルにある。メンマ、なると、ゆで卵などラーメンにありがちな具は、あえてのせない。シンプルisビューティフルに徹している。「この方が初見のインパクトがありますから」と初谷オーナー。その狙い通り、この見た目にスマホのシャッターが切られる。

　「こだわりを語るのは苦手」と初谷オーナーは控えめだが、麺は自家製麺、スープは鶏がら、豚骨、昆布を7時間炊いたもの、醤油は約160年の歴史を有する地元の醸造所のものなど、一杯を構成する一つ一つの要素から料理人の心意が伝わってくる。

　だからこそ「行列は作りたくない」と言いながらも、開店前から来店客が並ぶメニューが誕生するのだろう。

　●店舗情報

　「中華蕎麦　瑞山」

　所在地＝埼玉県朝霞市本町2-8-15／開業＝2010年／坪数・席数＝14坪・20席／営業時間＝11時30分～22時15分。無休／平均客単価＝1200円／1日平均集客数＝250人

　●愛用食材・資材

　「ヤマヤナギ醤油　木桶仕込／木桶醇造り」　塩味醤油醸造（埼玉県朝霞市）

　地元の商品を採用して地域に貢献

　創業159年の歴史を持つ醤油醸造所が伝統の醸造法で造る醤油。「木桶醇造り」（右）は、仕込み塩水の代わりに生醤油を使って仕込み、2度醸造したもの。「地元の朝霞市の歴史ある醤油醸造所の醤油を使用しています。今は数少なくなってきた昔ながらの木桶で醸造する醤油独特のうまみがあり、当店の醤油ラーメンのスープの味付けのベースに欠かせません」と初谷オーナー。

　規格＝1,000ml