メニュートレンド:“空想”のソースで毎週世界旅行 季節の薬膳茶も好評
本日の定食 行く先は「リトアニア」 1,430円(税込み) ピンクのタルタルソースに気分が上がる取材時の定食。主菜は「ぷりっプリエビカツ」、副菜は「冬瓜の香味油かけ」「小松菜 レンコン ごぼうのナムル」「ナスのみそ炒め」。やかんで提供するほうじ茶も好評 ※献立は週替わり
多国籍料理という概念を飛び越えて“世界中の国”を創作しているのが、神戸市の「旅するタルタルソース モンク食堂」だ。その国に見立てたタルタルソースを週替わりで用意し、毎週違う国へいざなうというユニークな発想が話題を呼んでいる。オープン当初は女性客が多かったが、徐々に家族連れや男性の一人客も増えており、順調に集客中である。
●客層広がり順調に集客
同店の食事メニューは「本日の定食」のみ。毎週金曜日から新しいメニューになり、旅先が変更する。メニューの軸になるのは「世界各国のタルタルソース“空想”」だ。
「アイデアの発想は、国ありきではなく、主に食材から。季節の素材をベースに『この食材なら、どんなタルタルソースができるか』をまず考えます。そこからイメージを膨らませて、行き先が決まるという感じです」と、永木聡子店主。なじみのない国の場合、ネットで調べながら食事を楽しんでくれる客もいるとか。
同店は、1年間のシェアキッチンでの営業を経て昨年開業。シェアキッチンはコロナ下でのスタートで、緊急事態宣言が出るなど、心がふさぎがちになり旅行もできない時期だった。「ならば、食材で旅をして明るい気分になってもらおう」と、このスタイルを考えたという。
取材時(7月)は、旬のビーツを取り入れて、ビーツを多用するリトアニアへの旅を提案。ベースのタルタルソースにビーツのペーストを加え、ピンク色の美しいソースに仕上げている。ゆでて酢漬けにしたビーツやキュウリ、サワークリームのトッピングも、食感のアクセントとして活躍する。
主菜は、肉や魚料理など3種類から2種類を選択可能で、油で揚げない料理も必ず用意する。副菜は季節の野菜をアレンジした3種類で、ヘルシー感ある定食である。また、漢方養生指導士がブレンドした「薬膳茶」を季節に合わせて提供。手作りのスイーツも人気で、ティータイムも楽しめる。
「来店してくださるお客さまのオアシス的な店として、長く続けることが目標」と、永木店主。アイデアを生み出す苦労を察すると共に、次の旅が楽しみになる店である。
●店舗情報
「旅するタルタルソース モンク食堂」
所在地=神戸市東灘区岡本1-3-2 サラフィオーレ北2階/開業=2023年4月/坪数・席数=約12坪・15席/営業時間=11時~16時(火曜は20時)。水・木曜休/平均客単価=1600円
●愛用食材・資材
「奥丹波の卵」籠谷(兵庫県高砂市)
ゆで卵の白身しっかり
卵を使う調理全般に使用するのが同品。兵庫県丹波市の自社養鶏場で、兵庫県産の飼料米や木酢、ヨモギ粉、海藻をブレンドした飼料を与えて生産される。「タルタルソースではゆで卵にして加工するが、白身が水っぽくなくしっかりしており作りやすい。黄身もうまみがあり、スイーツが濃厚な味になる」(永木店主)と愛用する。
規格=10個入り