アポなし!新業態チェック(218)「サンマルクカフェ&茶」イオン相模原SC店

2025.10.06 560号 10面

 ●「サンマルクカフェ」茶の派生ブランド 凍頂烏龍茶のタピオカティーやジャスミン茶のフルーツティー

 サンマルクホールディングスの傘下にあるサンマルクカフェが、展開するセルフ式カフェ「サンマルクカフェ」の派生ブランド「サンマルクカフェ&茶」を神奈川県の商業施設にオープンした。

 同店は、「日本とアジアの“お茶”の魅力を五感で楽しむ」をコンセプトに据え、従来のメニューに加えてアジア系の茶ドリンクなどを追加した新ブランドだ。抹茶やほうじ茶のほか、凍頂烏龍茶やジャスミン茶などを使用したメニューを導入。店内はやや明るめの配色に変更され、店名ロゴには漢字の「茶」の文字を大きめに配置して、茶葉をあしらった新しいシンボルマークを採用している。

 同店で販売される限定ドリンクは6種類。「黒糖タピオカミルク」「黒糖タピオカ凍頂烏龍ミルクティー」(各:Mサイズ690円)、「黒糖タピオカ抹茶ラテ」「黒糖タピオカほうじ茶ラテ」(各:Mサイズ720円)という4種類のタピオカドリンク、そして、「凍頂烏龍フルーツティー ピンクグレープフルーツ&ゆず」「ジャスミンフルーツティー パイナップル&パッションフルーツ&レモン」(各:Mサイズ720円)という2種類のフルーツティーが揃う。

 また、フードメニューとしては、看板商品であるチョコクロをアレンジした「プレミアムチョコクロ 紅茶ダマンド」(320円)と、クロワッサン生地で作られた「エッグタルト」(230円)が店舗限定のアイテムとして追加されている。

 新たな客層を狙う新ブランドとして、同店の動向は注目に値するだろう。(価格は税込み)

 ★けんじの評価:ロゴマークや内装デザインも新しく

 サンマルクホールディングスは、創業の経緯がやや複雑だ。企業グループとしての創業は1989年。同社の実質的な創業者であった片山直之氏が勤めていた会社のレストランを引き継ぐ形でスタートした。創業ブランドであったベーカリーレストランの「サンマルク」は、ファミリーレストランという業界がほぼ確立した時期に、少しグレードの高いチェーンレストランとして登場している。コース料理のメニューが用意され、ピアノの生演奏を行う店があったり、顧客の誕生日には来店を促す特典付きのダイレクトメールを送付するなど、独自の戦略で顧客満足度を高めていた。

 しかしそれでは、チェーン規模の拡大スピードに対応できなかったのだろう。次第に特定カテゴリーに特化した専門店系のブランドが増え、レストランの「サンマルク」は主力ではなくなった。そして同社の規模拡大に大きく貢献したのが、セルフ式カフェの「サンマルクカフェ」なのだ。

 今回の店舗は、「イオン相模原SC」にあった既存の「サンマルクカフェ」をリニューアルしたもので、客席の配置などから想像するに、女性客を中心として、ひとり客よりも2~3人のグループ利用を狙った業態のようだ。「サンマルクカフェ」は看板商品のチョコクロと共に、若者を中心として人気が高いが、従来のスタイルではひとり客の利用も多く、高単価の商品は売りにくい。そのため、収益性の改善が目標となっていたが、今回の店舗は果たしてどのような効果を発揮するだろうか。

 ◆外食ジャーナリスト・鷲見けんじ=外食チェーン黎明期から、FFやFRなどの動向を消費者の目線で見続けてきたアンチグルメな庶民派ジャーナリスト。顧客の気持ちを外食企業に伝えるべく、甘口辛口を取り混ぜた乱筆乱文でチェーンの新業態をチェック。朝マックとロイヤルホストのカレーフェアをこよなく愛する外食ウオッチャー。

 ●店舗情報

 「サンマルクカフェ&茶」イオン相模原SC店

 開業=2025年7月18日/所在地=相模原市南区古淵2-10-1 イオン相模原1階

 ●編集協力:株式会社イートワークス

 http://www.eatworks.com/

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