政府の食品輸出促進施策
日本の農林水産業・食品産業が持続的に発展していくために、農林水産物・食品の輸出を大幅に拡大し、世界の食市場を獲得していくことは待ったなしの状況である。日本政府は、司令塔組織である農林水産物・食品輸出本部の下で、政府一体となって輸出の障害を克服する取組みを進めており、また、輸出事業の取組みをプロダクトアウトからマーケットインに徹底的に転換する方針を打ち出した。これらにより、事業者のさらなる輸出拡大への後押しを目指す。本連載では農林水産省による輸出拡大施策に焦点を当て、その取組みを5回にわたって明らかにしていく。今回は、輸出の現状と農水省の輸出促進施策の概要について紹介する。(農林水産省食料産業局輸出先国規制対策課長・伊藤優志)
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政府の食品輸出促進施策(5)輸出先国の規制対応 マーケットインの体制必須
総合 2021.05.10輸出に当たっては、HACCP認定やISO22000など食品安全管理に関する国際認証の取得を求められる場合や、日本国内で使用が認められている添加物などが認められない場合がある。農林水産省では、輸出先国の規制の壁を打破し海外市場に商流を開くため、輸出のた…続きを読む
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政府の食品輸出促進施策(4)障壁高い輸出 円滑な手続きへ向け支援を
総合 2021.04.28農林水産物・食品の輸出には、輸出先国の輸入基準を満たしていることを示す証明書の取得や動植物検疫などの手続きが求められることが多く、こうした手続きは輸出先国や商品によって異なり、手続きを担当する機関も多様である。初めて輸出に取り組む事業者にとって、これ…続きを読む
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政府の食品輸出促進施策(3)輸出先国との協議 積極的かつ“攻めの姿勢”で
総合 2021.04.26輸出先国との協議には、規制が導入される前のドラフト段階での協議、日本産品が科学的根拠なく差別的に取り扱われているなどの既存の規制に関する協議、動植物検疫に関する輸出条件協議、個別の輸出トラブルに関する協議がある。わが国の主張を通すため、専門家レベルで…続きを読む
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政府の食品輸出促進施策(2)輸出支援の事業予算 当初・補正合わせ495億円へ
総合 2021.04.12農林水産省の輸出関係予算は、当初予算・補正予算合わせて495億円と充実した予算を措置している。農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略(輸出戦略)に基づき、輸出拡大余地の大きい27の重点品目を中心に、官民一体となった販売力の強化を推し進めるほか、海外にチャ…続きを読む
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政府の食品輸出促進施策(1)輸出施策の概要 世界の食市場獲得へ後押し
総合 2021.04.09日本の農林水産業・食品産業が持続的に発展していくために、農林水産物・食品の輸出を大幅に拡大し、世界の食市場を獲得していくことは待ったなしの状況である。日本政府は、司令塔組織である農林水産物・食品輸出本部の下で、政府一体となって輸出の障害を克服する取組…続きを読む