育児用調製粉乳・ベビーフード特集

乳肉・油脂 2022.10.31

 出生数減少が続く中、育児用調製粉乳(育粉)とベビーフードの各市場は、コロナ禍での一服感から一転、上昇軌道が復活してきている。共働き世帯の増加など社会経済環境の変化が進んだことで、両カテゴリーに対するニーズは高まり、1人当たり使用量も増加傾向にある。育児に対する考え方は、各世帯それぞれ「どう育てていきたいか」という十人十色のスタイルがますます進み、コロナ禍でさまざまな育児に関連する直接の情報交換機会が減少しているという状況もあり、特に若い子育て世帯はSNSなどから自分たちの志向にあった育児用商品を選択する傾向にある。今や、母親偏重から父親など多彩な参加をよりしやすくする商品が注目されるようになってきた。
 今秋からは「産後パパ育休」もスタートし、男性の育児参加率は上昇することが確実視され、各メーカーは利便性を訴求した商品や、顧客接点拡大によるコミュニケーション強化を引き続き進めていくようだ。栄養面でも、鉄など健全な発育に必要な成分に対する理解も深まってきており、フォローアップミルクの重要性認知の拡大など、今後は商品面でも新たなステージに突入していくことが予想される。(小澤弘教)